「ライオンの餌」というブログ開設、松島トモ子の人生は想像以上に動物と縁深かった…!

岡野 誠 プロフィール

大映は松島の母親を製作室に呼び、黒板にチョークで『小鳩ひとみ』と大きく書き、〈今度からこの名前で行くから〉と決定事項のように告げた。すると、母が〈いやいや、とんでもない。子役を続けるかも決めてないですから〉と拒否。それでも、大映は〈今度の映画で、ともこちゃんは大スターになるに違いないから〉と食い下がった。

「結局、『奉』をカタカナにするという妥協案で落ち着きました。鳥が当たったから、また鳥というのもねえ。いかがなものかと(笑)。美空ひばりさんのような大スターなら、何歳になってもいい名前だなと思うけど、私程度のもので『小鳩』と言われてもねえ。あの頃は、本名で活動される方はあまりいなかったと思います」

 

戦後の混乱期に部数を伸ばしていった人気芸能誌『平凡』(1951年9月号)の【第一回映画スタア男女別人気投票ベストテン】を見ると、1位:津島恵子(倉成直子)、2位:高峰三枝子(鈴木三枝子)、3位:原節子(会田昌江。以上、カッコ内は本名)を始めとして、女優10人は全て芸名。本名とステージネームを分ける時代だったのである。

寸前で“小鳩ひとみ”を免れた松島は、初の主演映画『母子船』で祖父と犬とともに旅をする少女役を演じた。市川右太衛門主演の『流賊黒馬隊』や嵐寛寿郎主演の『鞍馬天狗』では颯爽と馬に飛び乗っている。

「当時は子供と動物をテーマにした映画が多くありました。犬とも仲良かったですし、馬に乗るのも上手かったみたいです。落馬しても、すぐ尻尾に捕まって這い上がったと聞きました。ある撮影で、牧場で何頭もの牛に囲まれてもニコニコと笑っていたそうです。自分が好きだと思えば、相手も好きになってくれる。単純なことだと思うんですけどね。動物は人間の気持ちがわかるのかな。といっても、野生のライオンやヒョウには通用しなかったけど(笑)」

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