働きたいけど子供も大切。
そのジレンマにもがいた日々

そんな心の紆余曲折を経て、中村さんは2012年3月に第一子を出産。その1年後の4月に、新しくスタートした生活情報番組『ノンストップ!』のコーナー担当として仕事復帰します。一人の子供を育てながらの働き方はどのようなものだったかというと……。

1人目が生まれた時。 写真提供/中村仁美

「母になったとはいえ、いざ会社に復帰してみると出産前の延長のような感覚で。私自身の気持ちに大きな変化はなくて、前と同じようにバリバリ働きたい、という思いでした。ただまわりはそうは見てくれなかった。私は子育てをしていて、もはや前のようには働けない、違うレールに乗った人、とみなされていたんですね。だから現場が私の起用を希望してくれても、上司が気を遣って私に打診せずに別のアナウンサーに話を持っていく、ということが何度かあったんです。それを後から知って、『いやいや、私やりたかったです!』と。といいつつ、その一方で、子供が熱を出したり体調が優れなくて保育園から呼び出されることも度々ありました。もっと仕事したいのにできない!という焦りはあるし、無理して引き受けたら受けたで家族にしわ寄せがいく、という罪悪感に襲われるし、本当にジレンマでしたね。

1人目が生まれて復帰した時。 写真提供/中村仁美

ただ、当時はまだ会社を辞めるという選択肢はありませんでした。第一子を妊娠したとき、このまま仕事を続けるか夫と話し合ったんですね。そのとき夫に『会社は辞めないほうがいいよ。だってお前さ、アナウンス室の話をしているときが一番楽しそうだよ』と言われたんです。愚痴っているときも含めて、すごく生き生きしていたそうで(笑)。夫にそう指摘されて、自分にとって会社がどれだけ大切な場所か気がつきました。あらためて、私はフジテレビのアナウンサーとして働いていきたい、と再認識したんです」