壮大かつ美しい山々に囲まれた東京都西多摩郡・奥多摩町。都内とは思えぬ自然豊かなこの町を舞台に、これからの働き方、ライフスタイル、ビジネスを通じ、ポストコロナ時代における森林空間の在り方を見つめる探求ツアーを実施。前編に続き、後編ではツアーのメインプログラムでもある参加者5名のリーダーによるトークディスカッションの様子をお届けします。アフターコロナに向けて、働き方、暮らし、人生における価値観が変化しつつある今、そしてこれからの時代から見る森林空間の価値とは? 

前編の記事はこちらからチェック!

持続可能な未来に向け、さまざまな分野で活躍する5名のリーダー

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長 

島田由香さん
働く場所や時間を社員が自由に選べる人事制度「WAA(Work from Anywhere and Anytime)」やワーケーションを推進。林野庁「森林サービス産業」検討委員。

FRaU編集長兼プロデューサー 関龍彦
2018年に女性誌としてはおそらく世界初となる「1冊まるごとSDGs特集」を刊行。メディアの“伝える力”を通じたSDGs推進に取り組んでいる。

株式会社SANU 創設者、ブランドディレクター本間貴裕さん
自然と共にある生活“Live with Nature”を提案するライフスタイルブランド「SANU」を展開。都市住民向けにセカンドハウスのサブスクリプション型事業を行う。

NPO法人ミラツク 代表理事 / 国立研究開発法人理化学研究所 未来戦略室

イノベーションデザイナー 西村勇哉さん
セクター、職種、領域を超えたイノベーションプラットフォームの構築と、大手企業の未来構想の設計・開発、事業創出支援に取り組む。京都を拠点に、10年に渡り多拠点分散型の100%リモートで働く組織を運営。

株式会社ダンクソフト 企画チーム ダイバーシティ推進マネージャー

中香織さん
「デジタルで人を幸せに」を掲げるIT企業「ダンクソフト」で初めて育児休業を取得。実体験から社内の規定類の整備や申請方法の見直しなど、社員が働きやすい環境整備に取り組んでいる。

日本の国土面積約7割を占める森林の価値に気づいていない

宿泊したグランピング施設「Circus Outdoor TOKYO」で焚き火を囲みながら繰り広げられた、熱いトークディスカッションの一部始終をレポート!

場所や時間を社員が自由に選べる働き方やワーケーションを推進する島田由香さん

島田由香(以下島田) 日本は、国土面積の約7割が森林なのに、その希有な魅力にみんなの意識が向いていませんよね。私が専門とする「ウェルビーイング」の観点から考えると、トレッキングや森林浴など、たった30分でも森の空気を吸って、マインドフルネスの状態をつくることは、ウェルビーイングを確実に高めると実証されています。例えば、森の中でもWi-Fiがつながっている、絶景が見渡せるスポットにパソコンが置けるテーブルとイスがあるなど、仕事ができる環境が整うともっと良いのでは。

「オフィスにいないと仕事ができない」という概念は取り去られてきています。森林空間をどうワークプレイスのひとつにしていくかが重要じゃないかな。企業が率先して森林空間で過ごす機会を取り入れれば、仕事のパフォーマンス向上にもつながるので良いことしかないんですよね。

関龍彦(以下関) 農林水産省のことも「農水省」と略しますもんね。なぜ「林」を抜くのかと。森林浴という言葉が日本で生まれたのも、きちんとエビデンスがあるからでしょう。森林という宝が日本には7割もあるのに、私たち国民は森林の存在を忘れがちです。