超エリート官僚による「家族殺人」、多くの人が“被告に同情”するワケ

「家族の責任としての殺人」は許されるか
阿部 恭子 プロフィール

息子を殺して私も死のうと思った

「息子を殺して私も死ぬ…、そう思った瞬間は一度や二度ではありません」

小山美智子さん(仮名・70代)は20年以上、息子の家庭内暴力に悩まされてきた経験があり、熊沢被告に同情する親のひとりだ。小山さんの夫は医師で、地元では名士だったことから、長男は「医者の息子」としてプレッシャーを受けて育ったという。

小山さんもまた、息子には医師になって欲しいと思っていた。ところが長男の成績は振るわず、大学受験に失敗。毎年、受験に失敗するたびに家を出なくなり、引きこもり生活を送るようになっていった。

 

小山さんは無気力になっている息子に何とか目標を持たせようと有名大学に通う学生を何人も自宅に連れてきて息子に合わせようとした。息子はこうした母親の勝手な行動に腹を立て、暴言を吐いたり暴力を振るうようになっていった。

息子の行動はエスカレートしていき、夜中に暴れたり大声を出すようになった。小山さんも息子と同じような昼夜逆転の生活になっていき、親子は徐々に社会から孤立していった。

夫は仕事で忙しく、ひとり悩む小山さんのSOSを受け止めてくれる人はいなかったのか。

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