2021.03.05
# 航空機

画期的な楕円形の翼が特徴!…戦闘機「スピットファイア」が初飛行

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

楕円形の翼の利点とは?

1936年の今日(3月5日)、イギリスの戦闘機「スピットファイア」が初の実験飛行に成功しました。

スピットファイア(Spitfire:「かんしゃく持ち」の意味)はイギリスの航空機メーカー・スーパーマリン社が開発した戦闘機で、両翼が楕円形をしていることが画期的な特徴でした。

楕円形の翼の利点の一つは、翼端渦の発生を低減することにあります。翼端渦とは、翼の上面と下面に発生する圧力の差により生じる空気の流れが翼の端で作り出す渦のことで、機体を減速させる抗力として働きます。

理想的な楕円形の翼は、原理的には翼端渦がもっと抑えられる形状だとされており、スピットファイアは試験飛行において時速330マイル (時速528km)という速度を記録しています。またこの形状によって翼に揚力が均等にかかるため、急旋回など精度の高い動きが可能になったともいわれています。

煙を使った翼端渦のデモンストレーション Photo by NASA

スピットファイアはイギリス空軍に正式採用され、第二次世界大戦で活躍しました。特に1940年にドーバー海峡で繰り広げられた空中戦「バトル・オブ・ブリテン」ではドイツ空軍の部隊を圧倒し、制空権の防衛に成功しました。戦後は新興国に輸出され、スピットファイアは長きにわたって使用されました。

2019年には、1943年に製造された本物のスピットファイアが世界一周に挑戦し、日本の名古屋市にも降り立ったことがニュースとなりました。

1939年ごろに撮影されたスピットファイア Photo by Fox Photos/Getty Images

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