2021.02.05
# 読解力 # 読書

読解力がないとヤバい! 初の共通テストに見えたこれから必要な能力

これが池上彰さんもZ会も勧める対策
田中 圭太郎 プロフィール

「書くことによって、文章の構成や書き手の意図に、一層注意が向かいます。その結果、設問の問いかけに対して、必要な情報を文章から正確に読み取る力の強化につながります。記述式問題の導入は見送られましたが、読むことと書くことが一体となった学習は、共通テストの出題の前提となっている新しい学習指導要領でも重視されています。

 

具体的な学習の素材としておすすめしたいのが、新聞を読むことですね。グラフや写真、図表が多く使われており、文章以外の資料から総合的に情報を読み取るトレーニングになります。また、同じ出来事について複数の記事を読み比べることで、複数の情報を統合して、自分なりに考えをまとめる訓練もできるでしょう」

以上のように、共通テストでは読解力が求められる問題がさまざまな科目で見られた。ただ、決して知識が不要になったわけではない。地歴・公民担当の桑原紀子主任補佐は、「読解が必要な出題は増えましたが、他方で、正確な知識がないと正解できない問題も減っていません。共通テストが知識を軽んじているわけではないことは強調したいポイントです」と話している。

読解力重視は大学入試に限ったことではない

共通テストが実施されるまでの流れを振り返ると、国の教育政策と連動して変化をしてきたことがわかる。問題を作成し、テストを実施している独立行政法人大学入試センターは、もともと東京大学の一次試験を作成する国の組織が前身となっている。1979年から共通第1次学力試験、いわゆる共通一次が始まり、1990年から大学入試センター試験を実施。それぞれの試験では、その時代に受験生に身につけてもらいたい学力が、出題に反映されてきた。

大学通信の安田常務は、今回の出題内容から「共通テストは読解力重視と、資料から読み解く出題形式が主流になることがはっきりした」と話す。さらに、来年は今年よりも問題が難化するのではないかと予想する。

「今回は初めての実施でしたので、問題の作成には手探りの部分もあったと思います。ただ、多くの関係者が、来年はもっと難しくなるのではないかとみています。実際にこれまで、共通一次も大学入試センター試験も、1年目よりも2年目の方が難化しました。

共通テストの出題傾向は、大学に対する国からのメッセージでもあります。今後は国立や私立の大学独自の入学試験でも、重箱の隅をつつくような問題より、読解力を重視した問題が増えてくるのではないでしょうか

読解力は、大学入試全体でますます求められる可能性が高い。ただ、読解力が必要なのは受験に限ったことではない。池上氏は、仕事でのコミュニケーションや、日常生活のメール・SNSなどにも正しく理解すべき文章があふれているとして、読解力を「生きていくうえで常に必要となる力」と表現した。書くこと、聞いて伝えること、新聞を読むこと、それに読書によって、読解力を伸ばし、鍛えることが可能だと提言している。PISAで読解力の評価が低下したという理由だけでなく、読解力がなぜ必要なのかを、改めて考えてみてはどうだろうか。

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