2021.02.05
# 読書 # 読解力

読解力がないとヤバい! 初の共通テストに見えたこれから必要な能力

これが池上彰さんもZ会も勧める対策
田中 圭太郎 プロフィール

 文部科学省は2005年に「読解力向上プログラム」をとりまとめました。また当時の第一次安倍内閣は2006年に教育再生会議を立ち上げ、「脱ゆとり教育」として学習指導要領を改定し、削減されていた授業時間数や学習内容を再び増やすことを決めました。
 2007年からは、全国の小学6年生と中学3年生全員を対象とした「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」を始め、PISAの傾向を意識した問題を出題しています。さらに2021年に始まる「大学入学共通テスト」のプレテストの内容も、複数の文章や資料を提示し、それらを比較・引用しながらの情報処理を求めている点などに、PISAの影響が見られます。

共通テストの目玉として、当初導入される予定だった国語と数学の記述式問題も、PISAに出てくる問題と同様の形式が予定されていた。記述式はきちんと採点できるのかが問題になって導入が見送られたが、今回の共通テストは池上氏の指摘通り、PISAの結果を踏まえた読解力強化の傾向が鮮明になったといえる。

最も傾向が変化した英語はすべて読解問題に

今回の共通テストの具体的な分析を、難関大学の合格実績の高さで有名なZ会の中高事業本部指導部の大学受験指導課に聞いた。中村一貴課長は、「全体の傾向として読解分量が増加するとともに、与えられた情報を適切に読み取って、教科知識を活用して考察する出題が増加した」と説明する。

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「読解分量が増えて、時間内に読み解くべき分量の負担が増加したのは、全科目で同様の傾向です。英語、国語といったいわゆる読解力がストレートに問われる科目だけでなく、数学でも問題文から情報を読み取って考えることが求められるようになりました」

その中でも、最も傾向の変化が大きかった科目が英語だ。リーディングは第1問から第6問まであったが、英語担当の徳田耕子主任は「すべての問題が読解問題になった」と、次のように解説した。

「センター試験にあった発音・アクセント・語句整序といった知識を問う問題がなくなり、読解問題だけに変わりました。読解力重視というよりも、むしろ読解力しか問わない問題です。

英文に加えて、与えられたデータを参照して解く問題が多かったのも特徴です。本文には直接書かれていませんが、本文の内容を総合的に判断して、条件に合うものを選ばせる問題もありました。センター試験に比べて情報処理能力が求められる問題の比率が増えています」

英語ではセンター試験に比べて、リーディングで英文の分量が1000語以上増加し、リスニングでも読み上げ音声が400語程度増加した。ただ、この変化はプレテストとして実施された試行調査にも現れていたことから、受験生もある程度予想したうえで対策ができていたのではないだろうか。

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