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尖閣諸島奪取に向けて戦闘も辞さない…中国「海警法」の恐ろしさ

日本はどう対処するべきか
話題の新著『ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ』(講談社現代新書)の著者で、現代ビジネス本コラムの著者である近藤大介に、担当編集者Hが聞くシリーズ第4弾。今回は、新たな局面を迎えつつある日中関係をテーマに、「日本は中国とどう付き合うか」を聞いたーー。

第1回⇒ https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79192
第2回⇒ https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79382
第3回⇒ https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79621

日本との戦闘に向けた動き

H: これまで3週にわたって、新著の内容をもとに、日本と日本を取り巻く国際情勢について聞いてきました。

具体的には、第2章「『コロナ対応』の東アジア比較」をもとに、いかに日本のコロナ対策は遅れているか。第1章の「米中、7つの戦争」をもとに、バイデン新政権下の米中関係はどうなっていくか。第3章の「韓国と台湾を見ると5年後の日本が分かる」をもとに、台湾と韓国から見える日本の近未来です。

どの回の話も、菅義偉政権下の日本が置かれた実情がひしひしと伝わってきましたが、今回は第4章「日本は中国とどう付き合うか」。本で詳しく論じている「尖閣諸島問題」について、特に聞きたいです。

内閣官房ホームページより

近藤: 今日は何だか興奮気味ですね。

H: そりゃそうですよ。カイケーホーって、あれは一体何ですか?

近藤: 中国が2月1日に施行したばかりの「海警法」ですね。全84条から成る新たな法律ですが、私はさっそく全文を読みましたよ。

H: ボクは実際に法律の条項を読んだわけではないですけど、報道を見ていると、どうやらとんでもない法律みたいじゃないですか。

近藤: そうですね。取りようによっては、日本との近未来の戦闘に向けた「尖閣法」のようなところがあります。

H: それは、許せない「悪法」です。具体的に新法の内容を聞く前に、まずは法律名になっている「海警」という組織について教えて下さい。

近藤: 海警というのは、日本の一番近い組織で言うと、海上保安庁です。ただ、海保とは似て非なる組織ですが。

話はいまから9年前の2012年に遡ります。この年の9月に、当時の野田佳彦民主党政権が、尖閣諸島を国有化しました。

H: それは覚えてます。中国全土で、激しい反日運動が起こったじゃないですか。暴徒が日系デパートを占拠して狼藉を働いたり、日本車を燃やしたり、大通りで日本人を鬼とか叫んでデモ行進したり……。

 

近藤: そうです。尖閣国有化が9月で、習近平党常務委員(序列6位)が中国共産党のトップ・総書記に就任したのが11月。当時の習近平新総書記のグループは、前任の胡錦濤総書記の政権が腰抜けだったから、日本にこんな行為(尖閣国有化)を許してしまったという方向に持っていきました。

実際には「中南海」(北京の最高幹部の職住地)で、もっと複雑な権力闘争が展開されていたわけですが、ともかく習近平新総書記は、「反日」を武器に中南海の権力掌握を図ったわけです。その方が、一番頼みにしていた人民解放軍も味方につけやすかった。

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