1月26日、韓国銀行(中央銀行)は2020年10~12月期と通年のGDP(国内総生産)の速報値を発表した。
10~12月期の実質GDP成長率は、前期比でプラス1.1%と景気回復の兆候が見られた。
これにより、2020年通年の成長率は前年比1.0%と減と小幅なマイナスにおさまった。
2020年のマイナス成長の要因は、春先以降の新型コロナウイルスの感染発生によって人の動線が絞られ消費や輸出が減少したことだ。
GDPの発表後、ソウルの株式市場では韓国総合株価指数(KOSPI)が予想に反して下落した。
また、外国為替市場ではウォンが売られる場面もあった。
その背景にあるのは、主要投資家が先行きの韓国経済への警戒を強めたことだ。
韓国経済の先行きに対する根強い不安があるのだろう。
為替のディーラーの一人は、「足許の世界的な半導体市況を考えると、2020年後半の韓国経済の回復力は期待外れ」と指摘していた。
世界的な半導体需要の高まりの割には、サムスン電子の業績に物足りなさを感じる投資家もいる。
サムスン電子の10~12月決算は増益だったが、決算発表後に株価は下落した。
少子化や家計債務の増加など多くの国が抱える問題が韓国では特に深刻だ。