妊活、出産…そして「ゼロ」に

そんなモヤモヤとした時期が2年ほど続き、結婚5年目になったとき、追い打ちをかけるような出来事が起こる。「妊活」だ。由貴さんは高齢出産直前の34歳だったこともあり、生むなら今だと思っていた。これには夫も賛成。ただ、自然には授からなかった。

そこで、自身の生理不順や年齢に不安を感じていた由貴さんは、気乗りしない夫を連れて不妊治療で定評のあるクリニックを訪れた。

クリニックで2人が生殖能力の検査を受けると、夫の精子の能力が平均年齢を下回っていたことが判明。由貴さんの夫はショックを受けていたようだったが、2人は生活習慣を改善しつつ、不妊治療の最初の段階である「タイミング療法」を行うことにした。これは排卵しやすい時期に合わせてセックスを行う方法だが、結果的に由貴さんが夫にセックスを強いる日々が続いた。

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もともと淡泊な夫に無理矢理セックスを強いた感じになっていました。そんな生活が数カ月続いて、夫は相当ストレスを感じていたようです。でもあのときは何が何でも子供が欲しくて、夫の気持ちにまで構っていられなかったんです」

結局、タイミング療法では妊娠せず、不妊治療は人工授精、そして体外受精へと進み、不妊治療を始めて2年後にようやく由貴さんは妊娠。でも……

「妊娠中はつわりがひどく、つわりが終わっても謎の腹痛に襲われ、妊娠中も結構大変だったんです。そして出産後、夫は私とまったくしてくれなくなりました

産前産後も夫は優しくサポートしてくれたようだが、一連の不妊治療や辛い妊娠経験が彼のトラウマになってしまったのではないかと由貴さんは考えている。結婚8年目のことだった。