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『その女、ジルバ』に絶賛の声! なぜ池脇千鶴は「劣化」「老婆」の侮蔑を吹き飛ばせたのか?

木村 隆志 プロフィール

民放連ドラにほとんど出ていなかった

まず池脇の女優人生を振り返ると、1997年に『ASAYAN』(テレビ東京系)の「第2回CM美少女オーディション」で「第8代リハウスガール」(三井不動産)に選ばれて芸能界デビュー。その後は朝ドラのほかにも、『リップスティック』(フジテレビ系)、『美しい人』(TBS系)、『Summer Snow』(TBS系)などの人気ドラマに出演するなど、女優道のど真ん中を歩いていた。

今回「劣化」という言葉を招いたのは、2003年の『大奥』(フジテレビ系)以来、ほとんど民放連ドラに出演してこなかったことが大きい。その間、池脇は活躍の場を映画に移し、民放のドラマは単発出演のみに留め、2017年の『ごめん、愛してる』(TBS系)が実に14年ぶりのレギュラー出演として当時は話題を集めていた。

さらに言えば、同作で池脇が演じたのは、「児童養護施設出身」で、「幼少時代の事故によって高次脳機能障害になり、7歳程度の知能しかない」にもかかわらず、「8歳の息子を持つ母親」という難役。つまり、これほどの難役は池脇にしか演じられないから熱烈にオファーし、だからこそ彼女も受け入れたのだ。

 

今冬の『その女、ジルバ』も、それ以来4年ぶりのドラマ出演であり、また異なるタイプの難役。そもそも主演クラスの女優が「しょぼくれたアラフォー女性」を演じるのは想像以上に高いハードルであり、どうしても「どうせキレイでしょ」「本当はいい生活してるんだろ?」という嘘くささが漂ってしまう。

その点、池脇は完璧にしょぼくれたアラフォー女性になりきり、その上で生きる力を取り戻し、ジワジワと輝きを放ちはじめる様子をリアルに演じている。「『その女、ジルバ』には世間の人々が知っている池脇千鶴も、劣化した池脇千鶴もいない(いるのは笛吹新だけ)」ということだろう。

池脇は業界内で「難役請負人」のような存在になっている一方で、より多くの人々の目にふれる民放連ドラに出演せず、当然ながらバラエティにも出演してこなかったため、「ひさびさに見て驚いた」「劇中の役より先に番宣番組を見て驚いた」という人が多かったのだ。

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