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「日本」と「中国」の大違い…先進国では「デジタル通貨」が発行されないワケ

社会がデジタル化した10年後でもない

安倍前政権においては「キャッシュレス化」、そしてその流れを受ける菅現政権では「デジタル化」(DX)が推進されている。その流れの中で、フィンテックとして、電子マネーなどの「デジタル決済サービス」が急速に普及した。最近では「デジタル通貨」も流行語にもなってきている。さらに拡大解釈され、デジタル通貨は「電子マネー」のことをいうようになってきた。

しかし、机上の議論は良いとして、金融は現場や実務が重要である。実際、デジタル通貨を発行するのは自国通貨が弱い新興国と、管理が進む中国ぐらいであると考えている。「デジタル通貨」にはデジタル化の問題点がまさに具現化する。

まずデジタル化とフィンテックの意味を知ろう

現在、日本経済の「デジタル化」(DX : Digital Transformation)が急速に進んでいる。それは、経済のみならず、社会の改革にもなっている。デジタル化は菅政権の経済政策、いわゆるスガノミクスの柱となっており、9月には恒久的な省庁として「デジタル庁」も発足する。

もちろん、以前より金融分野全体でデジタル化は進んでいる。それは、2000年以前からも、無券面化・ペーパーレス化・電子化などという形で、進行していた。

国債・社債・株式等の無券面化がなされたほか、現金についても検討が進み、資金決済法等により、電子マネーという金融商品も確立し決済インフラとして社会に定着した。

今となっては、一般的になり、目新しさが無くなった「フィンテック」 (FinTech)という用語であるが、2000年前半から使われてきた。フィンテックとは金融(Finance)と技術(Technology)からの造語であり、日々進歩するIT業界が金融分野でサービスを提供する動きである。

そもそも金融の世界では「決済」とは債権・債務が解消されることをいい、一般的には、現代の貨幣経済では現金あるいは預金の受払(振込など)で決済が完了する。しかし、キャッシュレス決済を起源とした、フィンテックを始めとするデジタル決済サービス業界では、金融業界と用語や考え方(規範)も違う。

「決済」とは、アマゾンのようなEC(E-Commerce)サイト等で“モノを購入”した時の決済を指す。金融機関(業界)でいわれている、いわゆる“決済”とイメージが違う。さらに、一般的に、現金あるいは預金の受払のみ、いわゆる振込のことは「支払」という。

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この“決済”の言葉の定義の先に、最近、広告が多い「デジタル決済サービス」がある。すなわち「デジタル決済」とは、基本的にはモノを購入するときに使われる用語である。

さらに「デジタル金融サービス」とは、さらに広く銀行が行うような金融業務がデジタル化したものを指し、融資などの意味も内包する。このデジタル通貨を包含する「デジタル決済サービス」の位置づけはそのような「商品購入」に使用される場合に使われるのである。 

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