「政治とカネ」疑惑噴出…農水大臣「トイレで200万円授受」で露呈した深刻実態

アニマルウェルフェアが最低レベルの国で

最近、「政治とカネ」をめぐる醜聞が噴出している。東京地検特捜部と広島地検は1月15日、鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ秋田善祺元代表から現金500万円の賄賂を受領したとして、吉川貴盛元農水大臣を収賄罪で、金を渡した秋田元代表を贈賄罪で在宅起訴した。

起訴状によると、吉川元大臣は大臣在任中の2018年11月~19年8月、アニマルウェルフェア(動物福祉)に関するOIE(世界動物保健機構)が策定する国際的な鶏の飼育指針案や、日本政策金融公庫の養鶏業界向け融資を巡り、業界に便宜を図ってほしいという趣旨と知りながら、都内のホテルや大臣室で3回にわたり、秋田元代表から現金計500万円の賄賂を受領したとされる。

吉川貴盛元農水大臣の公式サイトより

アニマルウェルフェア(以下、AW)とは、人間が動物を家畜等として利用することを認めながらも、命ある生き物としての尊厳に配慮して、飼育環境を改善し、苦しまない方法での屠畜(殺処分)を実現しようとする考えである。

鶏は、肉用のブロイラーと採卵用の採卵鶏(レイヤー)で品種が異なり、飼育方法も違う。レイヤーは、狭いところで多数飼える、糞尿の処理が簡単、採卵がしやすいなどの理由から、小さい金網の檻が連なる「バタリーケージ」に入れて飼育する方法が日本では主流だ。

しかし近年は、鶏を苦しめるこの方法を改善し、巣箱や止まり木がある「エンリッチドケージ」や、平らなところで飼う「平飼い」(ケージフリー)への移行が求められてきている。

 

国会では「動物福祉(アニマルウェルフェア)を考える議員連盟」(会長:尾辻秀久・自民党参議院議員)が超党派で設立されている。

同メンバーである堀越啓仁・衆議院議員(立憲)がたびたびAWについて国会で質問してきたが、2018年11月21日に衆議院農林水産委員会で鶏のAW推進にいて同議員の質問が行われ、吉川氏が農水大臣として答弁した。その夜に秋田元代表から200万円を都内のホテルのトイレで授受していたと報道されている。

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