2021.02.02
# 中国

中国ファンタジー!独り勝ちの数字続々……実は崩壊前の一夜の夢か?

現実には着々と進む政治の北朝鮮化
大原 浩 プロフィール

華僑が逃げれば共産主義中国は終わる

多くの華僑・華人の実業家・ビジネスマンと接していて感じるのは、彼らがあまり「政治信条」にこだわらないことである。もちろん、この傾向は日米などの経営者にも共通したものであり、例えば「資本主義だから」、「共産主義だから」と言って相手(国)と取引きしないということは滅多にない(政府が定めた安全保障の懸念がある場合は別)。

しかし、華僑たちはもっと徹底している。例えば1997年の香港返還の際、香港残留組と海外脱出組に分かれたが、同じ家族の中でも意図的にわかれたのだ。例えば、兄は残留組、弟は脱出という具合である。

兄は1997年以降の香港の発展を享受し、脱出した弟にもその分け前が与えられる。逆に、最近のように、香港の共産主義独裁が強化された場合には、兄が弟を頼って海外へ脱出するというわけだ。

もっとさかのぼれば、1949年の共産党政権樹立の際にも、残留組と脱出組に分かれた。知人の華僑の中にも、自分自身は脱出組だが、中国本土に親・兄弟を始めとする親類縁者が住んでいるという人が多い。

日本で言えば真田親子の「犬伏の分かれ」(関ケ原の合戦の際、親子・兄弟が東軍と西軍に分かれた)に相当するが、華僑にとってはごく当たり前である。

このような脱出組を中心とした華僑が、本土の親族を通じて「改革・解放」に全面的に協力したことは、2019年1月9日の記事「客家・鄧小平の遺産を失った中国共産党の『哀しき運命』を読む」などで述べたとおりだ。

 

彼らは「共産主義」も「資本主義」も信じてはいない。すべての選択の基準は「自分の家族・一族にとって何が最良か」にある。

その彼らにとって現在の習近平政権はどのように映っているのだろうか?

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