2021.02.02
# 中国

中国ファンタジー!独り勝ちの数字続々……実は崩壊前の一夜の夢か?

現実には着々と進む政治の北朝鮮化
大原 浩 プロフィール

中央権力に忖度する地方

中国は共産党一党独裁による全体主義国家だから、情報は中央が握ってコントロールしている。その中央が発表する数字が全く信用できないことはすでに述べたとおりだが、さらに問題が多いと思えるのが地方だ。

例えば、中央政府が実はデータの「創造」に全く関与していない可能性はそれなりにある。どういうことかといえば、中央政府は表向き何も指示しないが、中央政府の意向を「忖度」した地方政府の役人たちが「勝手に数字を捏造」しているかもしれないということだ。

これは、西側推計で8000万人を死に追いやったとされる「恐怖の毛沢東時代」に実例がある。

例えば、当時毛沢東が力を入れていた鉄鋼生産。農民たちに「農作業をやめて鉄を生産しろ」と言っても、畑の中にバラック小屋を建てるくらいしかできない。その小屋で、鉄器時代が始まった頃行われていたような原始的な製鉄を行うか、手持ちの鍋・やかんなどを溶かして「製鉄しました」と献上するわけである。

そして、地方の役人たちは中央に忖度して「水増し報告」を行う。その水増しの集大成を見て、毛沢東は本気で「もうすぐ欧米に追いつける」と確信したともいわれる。

また、溶かされたのは食器類だけではなく、最後には鋤や鍬も溶かされるようになった。そうなれば、農作業が困難になり食糧生産もおぼつかない。

しかしながら、明らかに農地や生産手段が減少している中で、地方の役人たちは「中央政府が望む食料は増産されているという結果」を報告し続けた。信じがたいことだが、毛沢東はその数字を見て「豊作による食糧価格の暴落」を心配したそうだ。

したがって、当時の飢饉による犠牲者は「中央政府によって人為的に殺された」とする見解は正しいと言えるであろう。

 

その「毛沢東」を崇め奉り、「毛沢東路線」回帰を鮮明にしている習近平氏率いる共産党の発表の信頼性が、毛沢東時代に戻りつつあるのも不思議ではない。

関連記事