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コロナ補正予算になぜか「5000億円の大学ファンド」…財務省「金の延べ棒」まで急浮上した「不都合な真実」

小川 匡則 プロフィール

「緊縮財政」が将来世代にツケを回している

そもそもなぜこのような「大学ファンド」が必要なのか。

同じく衆議院文部科学委員会に所属する自民党の安藤裕議員は「緊縮財政の発想から抜け出せていないことが根本にある」と指摘する。

「予算に制約がある中でなんとか高等教育の予算を確保したいという発想で作られた。だから5千億円の原資も本予算ではなく補正予算に入れ込んだのでしょう。財務省が金の延べ棒を5千億円に換えて支出したのも、あくまで特別会計でやりたいということだと思います。

しかし、そもそも財源がないと思っていることが間違いです。国債を発行して財源を確保すればいいだけです。10兆円ファンドがたとえ3%の利回りを実現できたとしても3千億円にすぎません。それよりも本予算に3千億円を増額して組み込むべきです。緊縮的な考えで政策を作るから大学ファンドのような奇策が出るわけです」

文科省から各大学に分配される運営費交付金は平成16年の1兆2415億円から平成30年には1兆971億円と1割強も減らされている。

また、主要国における研究開発費では、政府負担割合はOECD平均で25.13%だが、日本は14.56%と極めて低い。

大学においてもアメリカや中国、ドイツなどが大きく大学等での研究費を大幅に増やしている中、日本はほぼ横ばいで推移を続けている。

図:主要国の大学等の研究費の推移/出典:経済産業省「我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向」より
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それにもかかわらず、予算を増やすのではなく、欧米のトップ私立大学に倣ってファンドを設置するというのは違和感を禁じ得ない。

「まずは本予算で教育や研究開発に関する予算を大幅に増額することから始めるべきです。そのためにも財政的な制約があって予算を大幅に増やすことはできないという前提認識をまず改めるべきです。国債を発行すると『将来にツケを回している』と揶揄する人がいますが、これからの日本を担う若い世代に十分な予算を確保することは『将来世代に投資する』ことであってツケを回すことではありません。それどころか、十分な予算を出してこなかったことで『将来世代』は既に多額の奨学金返済などのツケを背負わされていることに気づくべきです」(前出・安藤議員)

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