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言葉が抽象的に…日本企業の「稼ぎ頭」豊田章男社長の「神格化」が進んでいる!

現在のトヨタに漂う「忖度」の空気

名実ともに日本一の企業のトップでありながら、気さくで朗らか。この人のそんなイメージが、最近やや変わりつつある。発言が抽象的になり、メディアには敵意を剥き出しに。一体、どうしたのか。

抽象的なメッセージ

「お一人お一人が自分以外の誰かのために。去年できなかったことを一つだけやってみる。もう一歩、踏み出してみる。みんなの一歩をあわせると550万歩になります。

私たちの一歩は、日本、そして地球の明日につながっていると思います。そして一歩、踏み出してくれた仲間に対して、『ありがとう』と言い合える……」

これは、1月8日にトヨタの自社メディア、『トヨタイムズ』に公開された「年頭メッセージ」の動画で、豊田章男社長(64歳)が語った言葉だ。

日本自動車工業会の会長としての立場で出されたメッセージのため、自動車業界で働く人口である「550万(人)」という数字が使われているが、「自分以外の誰かのために」「地球」「ありがとう」などと、抽象的で精神性の高い言葉が強く前に出ている。

(画像はイメージです)Photo by iStock
 

それはあたかも、「宗教」のようであり、「教祖」のようであるともいえる。なんだか章男社長が、教祖じみてきている―。長年トヨタを取材する記者のみならず、最近はトヨタの現役社員からも、そんな声が漏れ伝わってくる。

章男社長が好んで口にするのが、トヨタパーソンの使命は単に車を作る事ではなく、『幸せ』を量産することだ、というもの。

広告や今年の株主総会でも語っていて、耳触りは良いものの、具体性がなくなにが言いたいのかよくわからない。社員は置いてけぼりを食らっているような感覚です」(トヨタ社員)

章男氏の「形而上的な言葉」は、様々な場面で目立つようになっている。とりわけ、昨年6月の株主総会で章男氏が持ち出した「ロバの寓話」は話題になった。

ロバを連れた夫婦。夫がロバに乗れば亭主関白と言われ、妻が乗れば「かかあ天下」。二人で乗れば「ロバがかわいそう」と非難される。

要は、「何をしても悪く言うのはいかがなものか」と、メディアに対する批判を一席ぶったのだ。極めつけは、12月に行われた、報道関係者向けのオンライン懇談会の席上での発言だ。

それまで穏やかに語っていた章男さんが突然、『この国の報道は人の悪口を言う秘密警察のようになってしまうと危惧している』と言い出した。参加していた記者は皆、驚きを隠せなかった」(全国紙自動車担当記者)

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