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恥を知らない習近平…衝撃の「ブーメラン発言」から見えた中国の果てなき野望

これは、アメリカに対する挑戦状だ

中国「ワクチン外交」の脅威

新型コロナの制圧に世界が悪戦苦闘する中、中国が大攻勢に出ている。アジアやアフリカで「ワクチン外交」を展開する一方、習近平国家主席は厚顔無恥にも、国際会議で「中国は世界で新型コロナへの早期完全勝利に貢献する」と演説した。このままでいいのか。

中国の王毅外相は1月4日から9日にかけてナイジェリアやコンゴ、ボツワナ、タンザニア、セーシェルを、さらに11日から16日にかけてはミャンマー、インドネシア、ブルネイ、フィリピンを訪れた。狙いはもちろん、中国製ワクチン提供による影響力拡大である。

中国の王毅外相[Photo by gettyimages]
 

王毅外相が新年の最初にアフリカを訪問するのは、これで31年連続だ。

中国共産党機関紙「人民日報」の傘下にある「人民網」は1月4日、アフリカ訪問について「中国とアフリカの友情をさらに深める。新型コロナのワクチンなど医療衛生分野の協力が焦点だ」と意義を強調した(http://j.people.com.cn/n3/2021/0104/c94474-9805661.html)。

続いて1月18日には、アジア訪問について、専門家の話を引用しながら「もっとも重要なのはワクチン協力。中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国との相互信頼を増進する」としたうえで、インドネシアに「地域ワクチン生産センターを築く」と報じた(http://j.people.com.cn/n3/2021/0118/c94474-9810628.html)。

中国のワクチン外交には先例もある。マスク外交だ。

新型コロナの感染が世界に広がる前の昨年1月、中国共産党は世界に「マスクと防護服(PPE)買い占め」の緊急指令を出した。私は「月刊Hanada」の昨年7月号で詳述したが、カナダではバンクーバーとトロント、モントリオールの領事館が買い占め作戦の司令塔になった(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72604)。指揮したのは、党の中央統一戦線工作部(UFWD)である。

中国による組織的買い占めが一因となって、日本も極端なマスク不足に陥った。中国は自国の感染が落ち着いたと思ったら、余ったマスクやPPEを各国に配って「マスク外交」を展開したのである。

それが一段落して、今度はワクチンだ。中国は治験(臨床試験)が完了する前に、安全性や効果を度外視して、人民解放軍兵士や一般国民にワクチン接種を始めた(https://jp.reuters.com/article/china-vaccine-idJPKBN2670KE)。それは、ワクチン外交を睨んだ動きだったのだろう。スピード優先で、各国を先におさえる戦略的必要性があったのだ。

抜け目のなさは、ワクチン開発を始めた時期にもうかがえる。

中国は新型コロナの感染が初めて報告される前の2019年8月時点で、ワクチン開発に着手していた可能性がある。これは、大阪大学大学院の森下竜一寄附講座教授が、私との対談本「どうする!?感染爆発!!~日本はワクチン戦略を確立せよ!!」で明らかにした。

 

中国の不活化ワクチンは20年6月に第2段階の治験に入った。不活化ワクチンは製造に少なくとも半年、効果を検証するのに3カ月かかる。逆算すると、森下氏によれば、別の専門家の話として「19年8月ごろから研究していないと、辻褄が合わない」という。

これが本当なら、中国は早い段階で感染拡大を予想していただけでなく、ワクチン開発もいち早くスタートさせていた形になる。

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