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トランプ復帰を審議する「フェイスブック最高裁」とは何か

SNSが政治生命を左右する時代に

大騒動の末にトランプ氏がホワイトハウスを去ってから1週間以上が経過し、米国の連邦議会では同氏に対する弾劾裁判が2月に控えている。仮に有罪となれば、同氏は将来、大統領のような公職に就く道が閉ざされる。

しかし議会上院で弾劾可決に必要な3分の2以上の賛成票が集まる可能性は薄いことから、トランプ氏の関心はむしろ自身が締め出された主力ソーシャルメディアにいずれ復帰できるか否かにあるとされる。

Trump Wants Back on Facebook. This Star-Studded Jury Might Let Him.” (NYT, Jan.24, 2021)

そうした中、フェイスブックは社外の大物メンバー20名を集めた監督委員会をオンラインで招集し、一旦停止したトランプ氏のユーザー・アカウントを復活させるべきかどうかの審議を開始した。

今年4月末までに結論を出し、マーク・ザッカ―バーグCEOら同社の経営陣に答申する予定で、フェイスブック経営陣はこの答申に従って、トランプ氏への最終的な処遇を決める模様だ。

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これまでの経緯

今月6日、大統領職の任期切れを間近にしたトランプ氏が暴徒を扇動して連邦議事堂の襲撃につながったとされる事件を経て、フェイスブックとツィッターは半永久的に同氏のアカウントを停止した。

この措置に対し、民主党の関係者らは「遅きに失した」としつつも、基本的にはトランプ氏からサイバー空間上の政治的メガフォンを取り上げたことを評価している。

一方、共和党の関係者らは「言論の自由に対する弾圧」と反発するが、それはトランプ氏を好むと好まざるとに関わらず、法律の専門家など一部識者も問題意識が一致するところだ。

 

アカウントを停止される前のトランプ氏はツイッターで約8800万人、フェイスブックで3500万人ものフォロワーを抱えていた。クリック・ボタンひとつで何千万人という支持者を動員できるポピュリストとしてのトランプ氏の生殺与奪を決める権力を握っているのは、今や米国の議会ではなくソーシャルメディアなのだ。

もちろんトランプ氏にサイバー・メガフォンを持たせることの危険性は誰もが百も承知だろう。

しかし、だからと言ってツイッターやフェイスブックのような企業が、はたして選挙で選ばれた議員からなる議会や行政府をも上回るような実質的権力を握ることが許されるのか――これが今、問われている問題の本質と言えそうだ。

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