バイデン政権でも米中対立は不変!日本のふるまい方を地政学で考える

「ボスの取り巻き」という立場の悲哀
ペドロ・バーニョス プロフィール

標的が優秀であるほど権力者グループの攻撃は激化

もちろん、「リーダーとその取り巻き」という図式が成り立つためには、その他の生徒たちとの共存が前提となる。だが、彼らは自分のグループ以外の生徒を見下しているので、わざわざ自分たちの行動について説明したりはしない。ある生徒たちのことは、自分たちのグループに属していないとか、スポーツがうまくないといった理由でひたすら無視する。ときには特定の子をいじめの標的にして優越感を得ようとする。標的が成績優秀な生徒であった場合には、権力者グループの攻撃はいっそう激しくなる。相手がライバルとなって、自分たちの優越性が脅かされないようにするためだ。

標的が精神的に弱かったり、家族の支えが得られなかったりすると、その子の心には取り返しのつかない傷が残る恐れもある。すると、自分がいじめの対象とならないため、力のあるグループに自ら加わってその他大勢の一人になることを望む子も出てくる。悲しいかな、こういった転向組こそが、他者に対してもっとも残酷になることも多いのだ。

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一方、リーダーの影響力やグループ全体のプレッシャーに抵抗しながら、まずまずの学校生活を送る子どもたちもいる。ある程度の力を持っていても、派閥はつくりたくないとか、影響力ある立場にはなりたくないと思うタイプの子たちだ。彼らは自分を大切にし、自分らしく生活できれば満足であり、仲間に対する不適切な行動にはかかわりたくないと考える。状況によってはそのとき力を持っている者と一時的に手を組むこともあるが、基本的にはどこにも属さずマイペースでいたいと願う。

さらに、ここまでに挙げた類型に当てはまらないタイプの生徒もいる。どんな集団とも距離を置き、好ましいものであれそうでないものであれ、どんな活動にも参加しないと決めている子どもたちだ。かたくなな態度をくずさず、誰かに馬鹿にされようものなら過剰に反応する。

強すぎるリーダー、取り巻き、いじめられる子、マイペースの子、誰ともかかわらない子。こういう図式が見られるのは学校に限らない。たとえば軍隊、刑務所、職場など、構成メンバーが多くの時間をともに過ごさなければならない共同体であれば、どこにでも当てはまる。世界的な意思決定において、大小さまざまな影響力を持つ強国がせめぎあう国際社会においても、まさに同じことがいえるのではないだろうか。

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