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中国だけが認めない…世界で再沸騰「新型コロナウイルス中国起源説」

WHO事務局長が毛沢東信奉者では

ジンバブエの反乱

アフリカ大陸の南部に位置するジンバブエは、東をモザンビーク、北をザンビア、西をボツワナ、南を南アフリカに囲まれた内陸国で、約1450万人の人口を擁する発展途上国である。

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2019年9月に95歳で逝去した同国の第2代大統領であったロバート・ムガベ(Robert Mugabe)は、1980年の首相就任から87年の大統領就任を経て、2017年に国防軍のクーデターによって大統領を辞任するまで、37年間にわたって独裁者としてジンバブエに君臨した。その政権を(ムガベの私腹を含めて)経済的・軍事的に支援したのは中国であった。

そして、ムガベの独裁を脱却した後もジンバブエは、依然として中国の各種支援に依存して国家運営を図っているのが実情である。

そのジンバブエで1月15日にネットメディアのインタビューを受けた同国の国防大臣であるオッパ・ムチングリ(Oppah Muchinguri)は、「中国の拙劣な実験が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)をもたらし、世界に損害を与えている」と述べたのだった。

彼女は国防大臣であると同時にジンバブエ内閣の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策チームの責任者であるが、1月15日当日に彼女の同僚であるマニカルランド州大臣のエレン・グワラジンバ(Ellen Gwaradzimba)がCOVID-19によって死亡したことで感情的になり、思わず本音を漏らしたものと思われる。

なお、新型コロナウイルス感染状況の統計データによれば、1月24日時点におけるジンバブエの感染状況は、感染者:3万523人、死者:962人、回復者:2万1080人となっている。

この数字は世界全体から見れば少ないように思えるが、筆者もかつて訪れたことがあるジンバブエという国の実情から推測すると、当該数字は同国政府が把握できている範囲内のものであり、COVID-19の感染により閣僚である州大臣までが死亡するほどだから、実際の数字は公表数字を遥かに上回っている可能性を否定できない。

上述したオッパ・ムチングリの発言に驚いたのは、中国と極めて密接な関係にあるジンバブエ政府であった。ジンバブエ外務省のスポークスマンであるコンスタンス・チェムワイ(Constance Chemwayi)は、「ムチングリの発言は同僚を亡くした悲しみで感情に走ったものであって、ジンバブエ政府の立場を反映したものではない」と述べて、中国の怒りを鎮めようと懸命な弁明を行ったのだった。

2015年にジンバブエを訪問した中国国家主席の習近平は、ジンバブエを「全天候朋友(何があっても影響を受けない友人)」であると述べたが、駐ジンバブエ中国公使参事官の趙鋼は1月17日に、「本件は敏感な問題なので、本国政府と協議した上でムチングリの発言に対するコメントを発表する」と述べた。

ただし、本国政府と協議した後に、趙鋼がどのようなコメントを発表したのかは確認できていない。恐らく、中国政府はジンバブエ政府に遺憾を通告したものの、公式にはいかなるコメントも発表しなかったものと思われる。

 

ジンバブエ国内では政界の一部に、ムチングリはその不適切な発言の責任を取って速やかに国防大臣から辞任すべきとの声が上がる一方で、ムチングリを擁護する声も上がっている。一般のジンバブエ国民はムチングリの発言に対して「その通り、良く言った」と喝采を上げているのが実態ではないだろうか。それが中国から多大な各種支援を受けているアフリカ諸国における庶民の本音であろう。

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