食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。今回は、年間1200件の飲食店を食べ歩く人気グルメライター・むにぐるめさんが、醤油ラーメン好きの人に捧げる一杯をご紹介します。お見逃しなく!

むにぐるめさんが今までに紹介したグルメ▶︎

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一杯というより一品の料理。
一線を画す新時代のラーメン

すべての醤油ラーメン好きに絶対食べてもらいたい逸品です」。

むにぐるめさんが太鼓判を押すラーメンが食べられるのは、九段下駅から徒歩3分の場所にある「八咫烏(やたがらす)」。

店主の居山勢(ちから)さんは、ラーメン店特有のどこかで修業して独立というわけではありません。人気カレー店の2代目として働きながらラーメンの研究を重ねて今に至ります。

研究は、22時の閉店から朝まで2年間ほぼ休みなし。鶏ガラ、煮干し、豚骨……それは単に独学で片付けるには壮絶な、ただひたすらに向かい合ってきた結果、居山スタイルのラーメンが誕生。2016年、満を持して「八咫烏」を構えました。

今ではラーメン好きはもちろん、食通も唸らせるほどの支持を得るまでに成長したラーメンで、むにぐるめさんイチオシが……。

「真っ黒に近いスープが光沢を放つ『特撰ラーメン(黒)』。非常に綺麗に盛り付けられたビジュアルからわかるように細部に至るまでこだわりを感じられる一杯です」

TOKUSENRAMEN 黒 ¥1150

居山さん曰く「自分がラーメンを作る場所はステージ」と、元バンドマンらしい表現で語る調理場からカウンターへ提供されるラーメンは、理路整然とした麺線、ほんのりピンクがかったチャーシュー、青々としたネギ、カットされて黄身が見える味玉と、むにぐるめさんがおっしゃる通り、目に麗しい盛り付けで眼前にやってきます。

続けて、むにぐるめさんはこだわりについても話します。

無化調にこだわって作られたスープからは、芳醇な香りが漂い食欲を刺激してくれます

無化調かつ動物系不使用のスープは、煮干し1種、枯節、干し椎茸、カツオ、昆布の和ダシに、鶏油、オリーブオイルベースの香味油で構成。そこへ紹興酒やウイスキーといったお酒と塩を合わせた“カクテルベース”と呼ぶ醤油ダレが加わります。

仕上げは、群馬「日本一醤油」の生醤油。香りをたたせるため提供直前で合わせます。「ここまで香りがいいものをいじるのは、蔵元さんに失礼」と居山さん。芳醇な香りの秘訣は、ここにあります。

「非常に喉越しのいい中細麺は、素材そのものの風味も感じられスープにもよく絡む! すする勢いが止まらなくなります」

麺は香りのいい全粒粉。スープとの絡みをよくするため堅めに茹でています。そして、ここにも居山さんのこだわりが! 麺を丼に入れた瞬間、中でそっと麺を整えます。バシャバシャすると麺の甘みが逃げてしまうからだそう。

具材は、真空低温調理で仕上げた豚肩ロースのチャーシューが3枚。それぞれ薄さが違うので食感をお楽しみください。ワンタンは鶏挽き肉がしっかり入っていますが、大葉が入ることで重くなく爽やか。ピリッとしたコショウがアクセントです。