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新型コロナ「医療崩壊」のウソと現実…なぜ重症病床がこんなに少ないのか

不安と不満…コロナで分断されるこの国

連日、テレビや新聞は「医療崩壊」の危機を声高に叫んでいる。だが、実際には、新型コロナ対応には全体のほんのわずかな病床しか使われていないことをご存知だろうか。「崩壊」の裏側をリポートする。

一気に死者数が跳ね上がる

「ウチの病院では、40床ほどの新型コロナ病床を設置しています。元々、通常の病棟だったものを、1棟まるまるコロナ専用病棟にしたのです。12月以降は、この約40床がほぼ満床、少ない時でも9割ほどの病床が埋まっているような状態です。

新型コロナ患者の対応は、医療スタッフの負担も大きい。コロナ病棟には介護スタッフや清掃員も入れないため、高齢患者の介助や清掃作業、ベッドメイクなどまで看護師が行わなくてはなりません。ほぼ満床状態が続き、医師や看護師はギリギリの状態です」

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こう語るのは、都内で新型コロナ患者を受け入れている中規模病院の職員である。

1都3県や大阪府などを中心に、新型コロナの感染拡大が止まらない。

東京では1月7日に、一日あたりの新規感染者数が過去最高となる2447人を記録、以降も1000人台の日が続いている。重症者の数も、東京都では4〜5月の第一波のピーク時(100人台)を超える、120〜140人台で推移している。

そんななか、連日、テレビや新聞はコロナ患者用の病床が足りない、救急車の受け入れ先が見つからないといった「医療崩壊」が起きていると報じている。

確かに、それは事実だ。

「特に重症患者用のベッドの逼迫率が非常に高くなっています。東京都では87%、大阪府でも65%に達しています(1月6日時点)。重症用病床とは、その名の通り重症患者の治療に対応できるように人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)などを備えた病床のこと。

多くの医療機関がICU(集中治療室)を転用して、この重症用病床を設置しています。仮に重症用病床が満杯になり、重症患者が満足な治療を受けられないような事態になれば、死亡者数が跳ね上がる可能性が高い」(全国紙厚労省担当記者)

病床が逼迫しているのは、間違いない。しかし大手メディアは、その「医療崩壊」の裏側にある「病院の論理」にあまり触れようとしない。

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