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民主主義の悪夢…トランプ支持者の「襲撃事件」が他国でも起きる可能性

フィンランドではどう受け止められたか

1月6日は、フィンランドでは11月末から始まるクリスマスの期間が正式に終わる休日だ。その夜、アメリカCNNニュースが、首都ワシントンの議事堂襲撃を実況で報じていた。報道は何時間も続けられたが、すぐには理解できないような驚きを感じた。

トランプ前大統領は、大統領選挙での敗北を認めず、集計の不正によって「選挙は盗まれた」と主張。いくつもの訴訟を起こしたが、どれも証拠のないものとし棄却されていた。議事堂では、州ごとの選挙結果を正式に確証するための審議が行われていた。

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それに合わせて、トランプはホワイトハウスの前で政治集会を開き、全米各地からバスなどでやってきた支持者に向けて1時間演説。「我々は激しく戦わなければならない。議事堂に向かって歩こう。神の祝福あれ」などと言いつのるトランプに煽られて、支持者の群れは約2キロ離れた議事堂まで行進。中になだれ込んで審議を中断させ、数々の狼藉を働いた。

集会は前もって計画されたもので、スプレーや鉄パイプなどを持ち、審議中の議員に危害を加える意図を持った襲撃だった。議員は避難して難を逃れたが、侵入者側に5人の死者がでた。

議事堂近くには紐をぶら下げた絞首台が設置され、「マイク・ペンス(副大統領)を吊るせ」と叫ぶ声もあった。 絞首は、黒人差別の激しいアメリカ南部で1950年代頃までリンチとして使われており、忌まわしい記憶を引きおこす。トランプからの圧力にも関わらず、ペンスが選挙に不正があったと考えず、トランプを「裏切った」ことへの報復だったようだ。ペンスは、襲撃された審議会で議長をつとめていた。

 

また、 反トランプのナンシー・ペローシ下院議長に危害を加えることも企てていた。

人々(ピープル)を代表し、人々のための政治の場であるはずの議事堂は、ピープルズハウスと呼ばれることもある。しかし極右のナショナリスト、陰謀論者、白人至上主義者、退役軍人、自警団などから成るトランプ支持者を、CNNニュースは「暴徒(モブ)」と呼んでいた。

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