これは何かの冗談か? テリー・ギリアム「ドン・キホーテ」撮影中の災難がヤバすぎる…

サブスクで見れる「ほぼ独断」隠れ名作2(前編)

今回紹介する二本の映画には、とある共通点があります。

一つはどちらもドキュメンタリー映画であるということ。そしてもう一つは、どちらも監督がこのときその作品を「完成させられなかった」顛末についてのドキュメンタリー映画であるということです。映画のメイキングならぬ、ディスメイキング映画とでも呼びましょうか…。

夢に終わった超豪華俳優の共演

一本目の『ロスト・イン・ラ・マンチャ』は、タイトルの通り「ラ・マンチャの男」つまりドン・キホーテの話です。

2001年 / アメリカ/イギリス / 93分
 

イギリスで活動する映画監督テリー・ギリアムが、かつて『ドン・キホーテを殺した男』という映画を撮ろうとしました。

ギリアム監督といえば『未来世紀ブラジル』や『12モンキーズ』などで日本でもたいへん人気のある監督です。彼にとってドン・キホーテは自身の人生観やテーマを象徴するアイコンのような存在です。その映画を撮るのだから、気合いの入りっぷりは尋常じゃありませんでした。

ここで取り上げる作品も、本当は映画本編のメイキング映像として撮影されていたものです。きっと後々VHSやDVDに特典映像として収録する予定だったのでしょう。ところが、蓋を開けてみればその映像は「映画撮影がいかにして頓挫したか」の記録となってしまいました……。

『ドン・キホーテを殺した男』は、セルバンテスの有名な著作『ドン・キホーテ』をモチーフにした物語……になる予定でした。

主演には『髪結い主の亭主』などで知られるフランスの名優ジャン・ロシュフォールと、当時すでに絶大な人気を誇っていたジョニー・デップを据え、スペインを始めとする広大なヨーロッパ・ロケを敢行しました。

総制作費は3000万ドルを超え、保険屋にも「ハリウッド作品でもない欧州の映画にこれほどの予算をかけるのは前代未聞だ」と言わしめるほどです。ただでさえギリアム監督は、かつて『バロン』で史上最大の損失を出したとも言われる人物です。

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