中国の若者は「もう日本製より中国製がいい」、その消費意識に起きているヤバい変化

中島 恵 プロフィール

10年前の経験

こう書いていて、私は一つ、思い出したことがある。ちょうど10年くらい前、上海である日系メーカーの商品を販売する代理店の中国人社長にインタビューしたときの出来事だ。

50代くらいのその男性は、中国で生産された日本メーカーの商品を中国人消費者に販売するという立場にいたのにもかかわらず、外国人である私の取材に対し、

「同じ日本メーカーの商品でも、中国で生産された製品と日本で生産された製品では品質に違いがあるんです。中国の製品は、中国人が作っているので品質はよくない。いわゆる二級品ですが、日本で作った製品の品質は一級品だ。だから、私は正直いって、うちで販売する製品であっても中国製品を買いません。日本に出張に行ったときに買っています」

ときっぱりとした口調でいったのだ。

〔PHOTO〕iStock
 

どういう話の流れでこういう発言をしたのかは思い出せないのだが、慌てたのは、隣に座っていた同メーカーの日本人駐在員だった。私に向かって「そんなことは決してありません。原材料も同じだし、同じ製法で作っている、まったく同じものです。メイド・イン・チャイナですが、製品の一部は日本にも輸出しているのですから」と弁解したのだが、日本語がわからない中国人社長は悪びれた様子もなく、ニコニコしていた。

この日本人駐在員が口にしたのは本当の話だ。食品などの場合、原材料の一部を現地調達することもあるが、それは食品ではなかった。だが、当時、この中国人社長と同じように誤解している中国人の一般消費者は非常に多く、私は別の都市に住む全然違う中国人からも、何度も似たような話を聞かされたことがあった。つまり、「日本企業は、本当にいいものは自分の国で作って売る。中国では売らない」という内容だった。

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