Photo by Dzurag/iStock

掃除機「紙パック式」と「サイクロン式」はどちらを選ぶべきか?

「吸引力」だけじゃない重要なポイント
高級掃除機に採用されている「サイクロン式」。ゴミが溜まっても"吸引力が変わらない"といわれますが、いったいどのようなしくみなのでしょうか? 従来の「紙パック式」との違い、それぞれの方式のメリット・デメリットを『すごい家電』の著者でもある西田宗千佳さんに解説していただきました。

100年前から変わらない掃除機の基本原理

「掃除機」の歴史は意外に古く、アメリカやイギリスでは20世紀初頭から販売されていました。

100年近く使われつづけている電気掃除機ですが、その基本原理は変わっていません。モーターなどで強い空気の流れを起こし、空気と一緒にゴミやチリなどを吸い込んだうえで、それら塵埃(じんあい)だけを分離し、溜め込みます。

一般に使われているのは、モーターの回転によって空気の流れを生み出し、内部に空気の圧力が低い部分をつくって、そこに外から空気が流れ込んでくるしくみで、強い空気の流れを継続的に生み出すものです。空気の圧力が下がることから「真空掃除機」などとよばれることもありましたが、もちろん実際に真空になるわけではなく、圧力が低下するだけです。

どの掃除機も、空気の流れをつくり出すしくみはほとんど同じで、「モーター」がキーデバイスです。家庭用の電力から、いかに強い「風」を効率的に生み出せるかがポイントです。そのため、家庭内で使われるモーターの中でも強力なものが使われており、そのぶん発熱も大きくなっています。

掃除機のモーターは、他の機器と違って「短時間だが超高速回転が得意」であることが求められます。電動工具ならトルク(ねじりの強さ)が重要ですし、エアコンなどでは、一定の強さで長く効率的に動くことが求められます。

しかし、掃除機のモーターにはまったく異なる特性が必要であり、一般的には専用設計で、掃除機以外には使われません。一般的なもので毎分3万〜4万回転しますが、毎分3万回転といえば、一般的な扇風機に比べ20倍もの回転速度になります。高速回転するとモーターが発熱し、寿命が短くなりますが、ゴミを吸い込むために使った風をモーターに当てて冷やすことでカバーしています。

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/