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「日本の5年後」が台湾と韓国のいまの姿から予見できる理由

近い将来、自民党は再び下野する…
本コラム『北京のランダムウォーカー』で、連載555回を数える近藤大介の新著『ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ』(講談社現在新書、1月20日発売)について、現代ビジネスの担当編集者Hが聞くシリーズ3回目。今回のテーマは、「いまの台湾と韓国は日本の5年後」――。

第1回⇒ https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79192
第2回⇒ https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79382

「旧き良きアジア」日本

H: 先々週の第1弾「菅政権のヤバすぎるコロナ対応…そして日本は東アジアの『負け組』に」では、近藤さんの新著の第2章に沿って、日本のコロナ対策が、中国・台湾と比較して、いかに遅れているかを論じてもらいました。

先週の第2弾「バイデン新政権発足目前…菅政権グダグダのウラで世界は急速に動き出す」では、新著の第1章に沿って、バイデン政権が始動して米中関係がどう変わっていくのかを聞きました。

第3弾となる今回は、新著の第3章に沿って、話を進めたいと思います。まず第3章のタイトル「韓国と台湾を見ると5年後の日本が分かる」――これは一体、どういうことですか?

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近藤: 日本人は明治維新以降、約150年にわたって、「欧米は日本より上で、アジアは下」という世界観を持ってきました。でも2021年の現在、そろそろそうした「20世紀的史観」を変えるべきだと思うんです

例えば、コロナの感染状況を見ると、中国はコロナの発生源で、人口も11倍以上あるのに、感染者数は日本の方が約3倍で、死者数もついに19日に逆転してしまった。台湾なんか、この一年間の累計感染者数が、いまの東京の1日あたりの感染者数よりも少ないわけです。韓国も人口比で見ると、感染者数、死者数ともに、日本の半分程度に押さえ込んでいます。

H: つまり、コロナ対策に関してみる限り、日本は「先進国」ではないというわけですね。

近藤: そうです。周辺諸国から、「PCR検査が一向に進まない後進国」「スマホの最新技術をコロナ対策に活用できない後進国」などと見られているわけです。

私は日々、日本の周辺諸国のテレビニュースやSNSを見ていますが、いまや日本は「恐くて行きたくない国」の筆頭です。

菅義偉政権は「11ヵ国とのビジネストラック(直行便)を継続する」と言っていますが、これらの飛行機に乗っている人の多くは、日本を脱出するアジア人というのが実態なんです。

H: つい一昨年までは、アジアの国々で、日本は「観光に行きたい国」の筆頭だったのに、残念ですね。安倍前首相は、「年間6000万人の観光客を誘致する」なんて豪語していたじゃないですか。

 

近藤: もはや、あの頃とは隔世の感がありますね。ただ、これも多くの日本人が誤解していることなんですが、コロナ前にアジアから日本を訪れていた観光客の多くは、東京の摩天楼や最先端技術を見るのが目的ではなかったんです。

この5年くらい、日本の近隣諸国・地域を歩いていると、日本旅行のポスターや電光掲示板などをよく見かけましたが、そこに写っている日本はの風景は、藁(わら)ぶき屋根の古民家とか、露天風呂、案山子(かかし)が立った田んぼといったものでした。

つまり彼らは、急速な開発で自国から消えた「旧き良きアジア」を懐かしむために、日本へ来ていたわけです。

H: そうだったんですか。中国や韓国では、スマホ決済が進んでいると聞きますが、それほどとは……。

近藤: 中国人の知人とは、彼らが東京観光へ来た際にずいぶん会いましたけど、「20世紀を懐かしむ旅」というのが共通認識でした。財布から現金を取り出して支払うとか、手を上げてタクシーを拾うといった、中国では過去の映画やテレビドラマの中でしか見られない体験ができるというわけです。

ついでに言うと、現金を使わないから、「財布」という物も、中国ではもうほとんど売られていないので、スマホケースで代用したりしていました。

H: トホホ……。

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