# 新型コロナウイルス

コロナ禍に「世界同時株高」の深層…メディアがなぜか報じない「不都合すぎる真実」

失業は増えているが、消費が減らない…
広木 隆, マネクリ プロフィール

生産性の低い労働者の雇用が増えると(当然のように)労働生産性の伸びが鈍る。労働者はマシン(AI)との競争に敗れていると言えるだろう。今回のコロナ禍での雇用喪失はリーマンショック時の比ではない。

しかし、当時とまったく同じことが起きている。

グラフ5:米国の労働生産性と雇用者数(直近)
(注)労働生産性は非農業部門の時間当たり生産高、季節調整済み、2009年=100 雇用者数は非農業部門雇用者数、季節調整済み

雇用が過去最大の減少を記録してもアウトプットはそれほど落ちないために生産性が鋭角的に上昇している。デジタル化が進んだ経済では無形資産が人間の労働力を代替するからだろう。まさに無形資産が人間の仕事を奪う時代が来ているのかもしれない。

仕事がないのに「消費」が活況であるワケ

というわけで、米国経済と企業はコロナ禍で図らずも生産性向上の恩恵に浴しているのだ。これが労働市場が戻らなくても株価が最高値を謳歌する理由のひとつだ。

そして何よりも、労働市場よりももっと「実体経済」に近い個人消費が活況である点が挙げられる。米国のGDP の7割は個人消費である。

 

個人消費を表す小売売上高もコロナで大幅に落ち込んだ。ところがこちらはV字回復となり、コロナ以前の水準はもとより、それまでのトレンドから大幅に上方乖離している。株式市場はこちらに連動しているのである。

グラフ6: ピンク:小売売上高 黄:ダウ平均/出所:Bloomberg

従来は、職があるから収入が得られ、それが消費を支えた。今は職がなくても人々が消費におカネを回せるのはなぜか。職→所得→消費の構図で、職は失われたままである。

その欠けたピースを埋めたのは何か? 政府の給付金である。

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