「円高」の背景にあるものとは photo/gettyimages

2021年は「防波堤」が崩れるか…「円高」の深層と、為替市場でこれから「本当に起きること」

2021年、「円高」の背景

2021年の取引が始まって約1か月が経過したが、ドル/円相場は概ね102.50~104.00円の値幅で推移している。「102.50~104.00円」という価格帯は近年では円高気味と言えるものだ。

過去5年間についてドル/円相場の年初来安値を見た場合、2015年が115.86円、2016年が99.00円、2017年が107.32円、2018年が104.64円、2019年が104.10円、2020年が101.18円である。

多くの市場参加者が予想し得なかった英国のEU離脱方針が決まった2016年6月の99.00円という瞬間風速は例外として(本当に一瞬の動きで終わってしまった)、ドル/円相場の目線は明らかに下がってきている。この背景には何があるのだろうか。

円高気味のドル円相場 photo/gettyimages
 

もちろん、基本的にドル/円相場の軌道は米国の景気循環、煎じ詰めれば政策金利の動きに連動すると考えるのが基本である。だが、円相場の基礎的需給環境も当然重要な論点として無視できない。

近年、「リスクオフの円買い」または「安全資産としての円買い」の迫力が失われている背景には為替取引における「円の売り切り」である日本企業によるクロスボーダーM&A、国際収支統計で言うところの直接投資の動向が着目されてきた。

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