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日本で生まれた世界初にして世界最強だった永久磁石「KS鋼」をご存じか?

サイエンス365days

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世界初にして世界最強の磁石だった「KS鋼」

1918年の今日(2月22日)、世界初の人工的な永久磁石「KS鋼」の特許が取得されました。

KS鋼とは、鉄にコバルトやタングステンなどを一定の割合で混ぜた磁石鋼で、当時最強であったタングステン鋼の約3倍の磁力を持っています。東北帝国大学臨時理化学研究所(現・金属材料研究所)に所属していた本多光太郎(ほんだ・こうたろう、1870-1954)によって開発されました。

1914年にヨーロッパで第一次世界大戦が勃発したことにより、日本は磁石鋼の輸入が途絶してしまいました。軍から磁石鋼の国産化の要請を受けた本多は、今までの物より数段強力な永久磁石を開発し、スポンサーである実業家・住友(S)吉右衛門(K)にちなんで「KS鋼」と名づけました。

本多は取得した特許権を住友に売り払い、成功にあぐらをかくことなく研究を続けました。彼は1932年に元素の組成を組み替えてより強力な新KS鋼を開発し、同年のノーベル物理学賞候補にもなりました。本多のKS鋼以後、日本では磁石の研究が多く実を結び、MK鋼やネオジム磁石などの強力な磁石が開発されることとなりました。

アインシュタインが来日した際に撮影されたし本多光太郎の写真(左端)

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