新型コロナウイルスの感染拡大はまだ止まらない。受験生たちも不安の中で入試に挑み、3月に卒業する子どもたちは果たして卒業式が執り行われるのか、学校の最後の数ヵ月を友人たちと過ごせるのか…と不安は絶えない。そして飲食店のみならず、本当に多くの人々が経済面のみならず、様々な打撃を受けている。

そんな中、国民ひとりひとりへの想いを、お誕生日のメッセージに込めていらしたのが皇后雅子さまだ。2020年12月9日のお誕生日にむけ、4000字を超えて書かれたメッセージには、様々な苦悩に直面していらしたからこその雅子さまの「想い」が読み取れる。緊急事態宣言が2月末まで延期との声も出ている中、改めて雅子さまの言葉を読み返してみよう。

2021年、一般参賀が中止になり、天皇皇后両陛下はお祝いのビデオメッセージを寄せられた。天皇陛下は台風被害、新型コロナウイルスについて思いのこもったお言葉を述べられ、皇后雅子さまは国民ひとりひとりを慮る優しい言葉を述べられた。雅子さまが皇族以外を対象にした肉声は17年ぶりだったという 写真提供/宮内庁

命の大切さ、尊さについて改めて深く思いを寄せる年

令和2年12月9日のご自身のお誕生日で述べられた雅子さまのお言葉をご紹介する(以下、「」内はすべて2020年12月9日のお誕生日に雅子さまが寄せたお言葉)

「今年もこうして無事に誕生日を迎えることができますことを有り難く存じます。今年は、特に命の大切さ、尊さについて改めて深く思いを寄せる年になりました。1920年頃に世界的に大流行したスペインインフルエンザ以来ほぼ1世紀を経た今年、思いも寄らず世界中が新型コロナウイルス感染症の大きな災厄に見舞われることとなり、大変に心の痛む年でした。

新型コロナウイルス感染症により、世界中で、そして日本国内でも多くの方が亡くなっていることに対し、この場をお借りしてお悔やみ申し上げます。世界の各地で、あるいは日本国内で、多くの方がこの感染症に苦しみ、懸命の治療にもかかわらず亡くなっていく現実は、本当につらいものです。

このような中、医療に従事される皆さんが、大勢の患者さんの命を救うために、そして,感染の拡大を防ぐために、日夜献身的に力を尽くしてこられていることに、心からの敬意と感謝の意を表したいと思います。医療に従事される皆さんには、特に感染拡大の初期には、治療法もまだ確立されない中、また、防護服やマスクを始めとする医療物資が大きく不足する中にあって、どれ程の不安と緊張の中で、自らの命の危険も顧みず、強い使命感を持って治療に当たってこられたことかと、本当に頭の下がる思いがいたします」

医療体制はいまさらに逼迫している Photo by Getty Images