新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まらない。「行動制限を呼びかけるだけでは限界がある。早く予防ワクチンを」という声も聞こえてくる。

日本では早ければ2月下旬から、新型コロナワクチンの接種が始まるとも報じられている。まずは医療従事者、次に高齢者へ、順次接種が行われる見込みだ。ただ、日本人はワクチンへの警戒感が比較的強い国ともいわれており、実際の接種率がどれくらいになるかは不透明だ。

海外に目を移すと、すでに新型コロナワクチン接種が始まっている国もある。今回は、社会福祉国家のデンマークでワクチン接種を受けた日本人女性に話を聞くことができた。

デンマークでは2020年12月27日にワクチン接種がスタートし、2021年6月末までにすべての国民に接種を行うことを目指しているという。1月21日現在(デンマーク時間14時)での投与回数185,777回(2回目投与の6,808名を含む数値)。ちなみに、世界(1月22日00:18時現在)の投与回数では54,356,831回の接種が進んでいる(出典:Statens Serum Institut&Our World In Data)。  

そんなワクチン接種の状況や政府のコロナ対応、またデンマークでの接種から見えてきた日本の課題などについて、語ってもらった。

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クリスマスから再びロックダウン

麻衣子さんは、結婚を機にデンマークへ移住して14年目になる。短大卒業後、デンマークの国民学校と呼ばれる『フォルケホイスコーレ(18歳以上なら誰でも入学できる大人のための学校)』へ留学し、福祉を学んだ。そこで夫となる人と出会って結婚。夫はデンマークで生まれ育った日本人で、2人の子どもとの4人暮らしだ。子育てが落ち着いたころ、現地の専門学校で福祉を学びなおし、現在は老人ホーム内の入所型リハビリ部門で働く。2020年8月に臨時職員として採用され、介護職員として毎日出勤している。

再びロックダウン中のデンマーク。マスク着用も義務になった。photo/Getty Images

「新型コロナの影響ですが、昨年3月半ばにロックダウンに入り、夏にはいったん感染者が減って普通の生活に戻りました。しかし、秋から徐々に感染者が増え、クリスマスから再びロックダウンに入りました。

国民性もあるかとは思いますが、人々はパニックになることもなく、比較的落ち着いて行動しています。実は8月までソーシャルディスタンスと手洗い、除菌ジェルが推奨されており、政府はマスクを推奨していなかったのです。それが8月末から『公共の場ではマスクをしましょう』と方針を転換し、8月末より公共の場でのマスク着用が義務に。デンマークではマスク習慣がなく夏までは着用する人がほとんどいませんでした。日本人としては、マスクをしている方が安心できるので、あのときはホッとしました」と、振り返る。

ちなみに、デンマーク国内での現在の総感染者数は192,265人、死者は1,909人(1月22日現在)。ピーク時の12月18日と比較すると約47%減少しているという(出典:graphics reuters world-coronavirus-tracker 2021.22.JAN)。