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5つの食品で徹底検証!「わかりにくすぎる」栄養成分表示のからくり

「生活習慣病」予防に活用したいのに…

「食品表示」とは?──2020年4月1日から変わりました

スーパーやコンビニで売られている食品の容器や包装の上には、いろいろなことが書かれている。これには「必ず書かなければならないもの」と、「そうでないもの」とが混在している。

法律で書くことが義務づけられているのが「食品表示」である。その食品に関する基本的な情報、すなわち、原材料や添加物、内容量、賞味期限(または消費期限)、保存方法、製造者などが記されていて、食品を購入する際の判断材料になる。

一方、義務ではなく消費者に役立ちそうなことや、商品をよりよく見せるためのことが書かれている場合もある。

食品表示は、以前は複数の法律によって規制されてきた。しかし、きわめて複雑であったために、これを一元化する目的で「食品表示法」という新しい法律が2015年4月1日に施行された。

「食品表示法」は原則として、すべての加工食品の容器包装上に栄養成分量と熱量(エネルギー)を表示することを義務づけている。しかし、準備のための経過措置期間が5年設けられていたので、完全実施されたのは2020年4月1日からである。

【写真】栄養成分表示例栄養成分表示、牛乳での表示例(消費者庁のパンフレット「知っておきたい食品の表示」より)

筆者は、食生活教育の立場から、加工食品への栄養成分表示の義務化を長いあいだ、待ち望んでいた。特に、生活習慣病予防の観点から、熱量や脂質、食塩の適正摂取が重要な課題であるこんにち、自分が食べるそれらの量を把握することは健康維持に配慮した食生活を営むうえで欠かせないからである。

制度化された栄養成分表示を有効活用するために、いくつかの注意点を確認したい。

「栄養強調表示」とは?──義務化以前からありました

すでに、少なからぬ加工食品に栄養成分は表示されている。したがって、「義務化された」と言われると、では今までの表示はなんだったのかと思うかもしれない。

確かに、食品表示法の施行以前から一部の食品には栄養成分表示があり、これには2つの理由があった。

1つは、自主的に表示してきた食品企業の存在である。義務ではないが、消費者に役立つであろうとの考えから、任意でおこなってきたものだ。

もう1つは、栄養成分表示が義務づけられている2種類の食品グループが存在することによる。1つは国が定めたルールのもと、機能性を表示できる「保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)」であり、もう1つが「栄養強調表示」という、ある栄養成分が多いことや少ないことを強調して販売する食品である。

たとえば、「食物繊維たっぷり」や「ビタミンC豊富」、あるいは「カロリーゼロ」「食塩控えめ」のような文言が書かれている食品である。この2種類の食品グループは、栄養成分表示が以前から義務づけられており、これからもそれは変わらない。

必ず表示しなければならない項目──順序も決まっています

2020年度からは、これら保健機能食品や栄養強調表示食品に限らず、容器包装に入れられたすべての加工食品に栄養成分表示が必要となった。

必ず表示しなければならないのは、「熱量」「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」「ナトリウム」であり、この順で表示する。熱量は「エネルギー」と書いてもよく、単位は「カロリー」である。たんぱく質、脂質、炭水化物は「グラム」で表示する。

ナトリウムは食塩、すなわち塩化ナトリウム由来が多いので「ナトリウム量×2.54」で算出される「食塩に相当する量」を意味する「食塩相当量」として、やはりグラムで表示する(2.54=NaClの式量/Naの原子量=(22.99+35.45)/22.99)。

【写真】栄養成分表示例栄養成分表示、牛乳での表示例(再掲・消費者庁のパンフレット「知っておきたい食品の表示」より)

このほか、「飽和脂肪酸」と「食物繊維」の含有量は「表示を積極的に推進するように努めなければならない」とされている。さらに、「n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、コレステロール、糖質、糖類、ビタミン類、ミネラル類(ナトリウムを除く)」は、「表示してもよい」とされている。

これら栄養成分を表示する食品の単位、すなわち「〇〇当たり」は100g、100mL、1食分、1包装、1箱、1枚、1粒など、さまざまである。この「いろいろある」のがじつは厄介で、とてもわかりにくい表示になってしまうことがある。

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