「鬼畜の犯行」なのか? 野田市小4虐待死事件から2年、加害者家族が語る「心愛さんへの想い」

阿部 恭子 プロフィール

昨年開かれた裁判員裁判では、真由さんは検察側の証人として出廷し、良子さんは検察側だけでなく被告人の情状証人としても法廷で証言をした。

子どもを犯罪者にしようと育てる親などいない。親にとって、法廷の被告人席に座る息子を目にすることほど辛い瞬間はない。息子が奪った命が可愛がってきた孫であればなおさらのことである。加害者と被害者の狭間で引き裂かれる思いだったに違いない。

「息子がやったことなのだから当然」と言われてしまえばそれまでだが、家族を追いつめたからといって心愛さんが戻ってくるわけではない。

 

事件はまだ終わっていない

栗原被告は、裁判員裁判で懲役16年の判決が言い渡され控訴している。東京地裁で開かれた控訴審は19日に結審し、3月4日に判決が言い渡される。

判決が確定するまでは、家族として被告とのやり取りなど事件に関するコメントは控える方針である。加害者側として一定の真実に辿り着き、事実を公表できる時期が来る頃には世間の関心は薄れているかもしれない。

筆者は、裁判員裁判を全て傍聴していたが、本件はこれまで傍聴した裁判の中で最も精神的負担を要する裁判だった。惨い虐待の証言に、泣き出す人や被告人への怒りをあらわにする人が後を絶たなかった。

裁判を通して、家族が知りえなかった事実が明らかになった部分もあるが、事件の全容が明らかになったわけではない。そもそも裁判は、責任に応じた量刑を判断するところであって真相を究明するには制度として限界がある。

関連記事

編集部からのお知らせ!

おすすめの記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/