20世紀から始まった化学農法は、自然の流れに逆らった農法であるといっても過言ではありません。有機物の代わりに化学肥料を用い、病原菌や害虫を殺すために農薬を使う。その代償として、土の中の微生物は減り続け、痩せた農地が多くなってしまいました。
他国と比べて日本でこの傾向は顕著で、現在の日本の農地では平均してアメリカの2倍、ロシアの10倍以上もの化学肥料を使用しているとも言われています。
微生物がいなくなった土は白っぽく固くなり、保水性も悪くなってしまいます。痩せた土地にさらに化学肥料を与え続けることで、農地にもともとあった「地力」はどんどん衰えていき、収量も減ってしまうのです。
そして、もっとも大きな問題は、我々消費者が口にする野菜の栄養分と食味です。
化学肥料は基本的に窒素とリンとカリウムで構成され、微生物が作るビタミンや鉄分、カルシウムなどの微量元素を含んでいません。そのため、化学肥料によって育てられた野菜は『栄養失調』となり、もちろんその味も美味しくなくなってしまうのです。
「子供の時に食べた野菜と今の野菜は別物」
よく言われる話ですが、多くの場合、化学肥料の使いすぎがその原因となっています。