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ブラウン管、液晶、プラズマ、有機EL…意外と知らないテレビの原理を完全解説

それぞれのメリット・デメリットは?

アナログ放送時代の「ブラウン管」、現在主流となった「液晶」、あまり見かけなくなった「プラズマ」、そして次世代の有力候補「有機EL」。これらのディスプレイの方式の違いがどこにあるのか、みなさんはご存じですか? 知っているようで知らない、この疑問にITジャーナリストの西田宗千佳さんに解説していただきました。

(この記事は書籍『すごい家電』の内容を再編集したものです)

白黒からカラーへ、アナログからデジタルへ

テレビの技術史は、受信感度の向上を中心とした「高画質化の歴史」です。

日本におけるテレビ放送は1953年に開始され、すでに70年近い歴史をもっています。当初は白黒放送でしたが、早くも1960年にはカラー化されました。

2011年7月(岩手・宮城・福島は2012年3月)には、地上波・衛星放送ともにデジタル化され、現在は高画質かつ大画面を実現できる「薄型テレビ」が主流を占めています。

放送開始以来、「テレビ局からの放送を受信・視聴する」というテレビの機能は変わりませんが、それを実現するための技術が大幅に変化しています。情報の伝達方式に加え、デジタル放送になって大きく変わったものとして、映像を表示するしくみが挙げられます。

アナログ時代の「ブラウン管」テレビ

アナログ放送時代のテレビには、「CRT(Cathode Ray Tube)」とよばれる装置が使われていました。いわゆるブラウン管です。

ブラウン管は、管の根元にある電子銃から電子を発射し、蛍光物質が塗られた面に電子がぶつかるときの発光で映像をつくります。そのしくみ上、ブラウン管時代のテレビは、左から右に描いた線を順に積み重ねて画面を構成していました。

この画面を組み立てるしくみを「走査」、走査の1ラインを「走査線」とよびます。

映像1コマ分の走査が終わった段階で次のコマを描き、それが終わるとまた次のコマを……という流れで映像を組み立てます。より正確には、走査時の光の「残像の積み重ね」で映像をつくっていました。

ブラウン管の電子銃はつねに「点」を描画し、その残像が「線」となり「面」となるのを私たちは見ていた、ということです。

日本のアナログ放送時代における画面全体での走査線の数は、最大525本でした。それを奇数行目と偶数行目に分け、「奇数行目分の集合・1画面分」を60分の1秒で、「偶数行目分の集合・1画面分」を同じく60分の1秒で描き、両方を組み合わせて「1コマ」としていたのです。

したがって、1秒間の映像は30コマから構成されていることになります。しかし、奇数行目と偶数行目では映像が少しずつ異なるため、動きは「60コマ分存在する」のに近くなります。

このようなしくみを「飛び越し走査」、または「インタレース」とよびます。アナログ時代のテレビが、「画像に大量の細い線があるように」見えていたの
は、インタレースで映像を描いていたためです。

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