コロナ禍に襲う大地震、そのとき「避難所」はどうなる

旅館やホテルは「避難所」に成り得るか

コロナ禍と自然災害

コロナ禍のなか、台風は上陸せず、巨大地震に見舞われることもなく年を越せたことは不幸中の幸いとしかいいようがない。日本列島がもしも昨年の台風19号のような巨大災害に襲われていたならば、避難所の件だけでも解決すべき問題山積の上に「感染防止対応」までが加わって、大混乱必至だったのではないだろうか。

実際昨今は、日本各地で震度5強などの強い地震が相次いでいる。いつ起こってもおかしくない巨大災害への備えは、起きてしまってからでは間に合わない。そのことを肝に銘じて、行政でも民間でも対策強化の取り組みが進んでいる。

甚大な被害をもたらした台風19号 photo by gettyimages

なかでも注目したいのは、一般社団法人日本環境保健機構が去る9月、防災コンサルティングの株式会社イオタと提携して開始した「借り上げ福祉避難所(宿泊施設避難所)推進プログラム及び推進施設認証」だ。

借り上げ福祉避難所とは、ホテルなどの宿泊施設を、災害時に主として高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(要配慮者)」を滞在させるための避難所として自治体が借り上げ、無料の福祉避難所として活用すべしというもの。

テレビや雑誌でもたびたび取り上げられているように、日本の避難所がイタリア等の国々と比べて環境がよくないことは、東日本大震災の頃から大きな問題になってきた。復興庁によると、大震災では3647人が関連死と認定されており、全犠牲者の17%を占めた。熊本地震では建物倒壊などの直接死は50人だが、関連死はその4倍の203人に上ったことが報告されている。

 

それゆえ内閣府は、「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」を策定し、平成20年から確保に動いてきた。今年4月には災害時の新型コロナウイルスの感染対策をにらみ、ホテルなどの宿泊施設を避難所として活用するよう自治体に要求。内閣府が6月に各地の状況をまとめた結果では、1254の宿泊施設がこの呼びかけに対して手を上げ、政府はこれらの施設を災害時には自治体が借り上げ、無料の福祉避難所として活用することを推奨している。

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