セックスレスだからといって夫婦不仲とは限らない。しかし、「仲がいい」と思っていたのがどちらか片方の場合はどうだろう。ライターの上條まゆみさんが今回インタビューをした女性は、外資系の会社で管理職としてバリバリ働く魅力的な女性だ。ある日突然離婚を切り出され、その後夫の不貞が発覚したという彼女が、数年間もの離婚裁判を経て気づいたこととは。

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セックスレスでも仲良しのつもりだった

澤奈緒美さん(仮名・46歳)が元夫の不貞に気づいたのは5年前。当時、子どもは小学3年生で、奈緒美さんは外資系企業の管理職として忙しく働いていた。
「ある日突然、『離婚してほしい』と言われたのです。『仮面夫婦では結婚している意味がない』と。私にとっては寝耳に水。私たち、たしかにセックスレスではありましたが、けんかもしたことないくらい仲が良かったし、彼は子煩悩で、子どもとはものすごく良好な関係だったので、何を言っているんだろう、と」

離婚など、とても受け入れられない。話し合おうとするも、家の中の空気は重くなるばかり。元夫は家に寄り付かなくなり、ついには帰ってこなくなってしまった。

奈緒美さんは、途方にくれた。夫婦共働きで、二人でまわしていた家庭だった。それをいきなり放り出して、元夫はどこで何をしているのか。
「これは女性がいるに違いないと思い、居場所を探してほしいと興信所に頼んだら、案の定、女性と暮らしていました。頭にカーッと血がのぼりましたよ。なんてことしてくれちゃってんの! と」

興信所に頼むと、すでに女性と二人で暮らしていた…(写真はイメージです)Photo by iStock

元夫の不貞が発覚して奈緒美さんがまず抱いたのは、嫉妬や悲しみではなく、怒りだった。
「彼は誰が見ても善人で、どこに行っても『いい人と結婚したね』って言われるくらいだったんです。それなのに、こんな手酷く裏切るなんて。当時は怒りでいっぱいで、死んでくれたらいいのにと思っていました」

奈緒美さんはすぐさま弁護士に相談に行き、不貞相手に対する慰謝料請求と離婚調停を進めることにした。