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琵琶湖の底で生物が死んでいる……いったい何が起こっているのか?

琵琶湖を救うためにぜひ協力を!
いま、琵琶湖の生態系が破壊されてしまうかもしれない深刻な事態が生じていることをご存じでしょうか? 豊かな生態系を支えていた「琵琶湖の深呼吸」と呼ばれる現象が、温暖化の影響で2019年に止まってしまったのです。

いったいなにが起きているのか? 琵琶湖の生命を守るためになにができるのか? 琵琶湖を救うためにクラウドファンディングを立ち上げた、立命館大学の熊谷道夫先生に解説していただきました。

琵琶湖の豊かな生態系を支える「深呼吸」

琵琶湖では「全循環」という現象が冬に起こります。これは冷たくて酸素を多く含んだ水面付近の水が湖底に到達する現象です。つまり上の水と下の水がひっくり返るということです。

湖の底まで酸素を届ける「全循環」を、私たちは琵琶湖の「深呼吸」と呼んでいます。湖の豊かな生態系を保つうえで、「深呼吸」は非常に重要な役割を果たしています。

しかし、2019年と2020年に琵琶湖の全循環が発生しませんでした。

私たちは琵琶湖で何が起こっているのかを確かめるため、2019年3月から2020年12月にかけて、湖底の環境変化を計測しました。

図中の青い線が水温で、オレンジの線が溶存酸素濃度です。通常、冬期には溶存酸素濃度は飽和となり100%前後に戻るはずですが、2019年には60~70%、2020年は70~80%程度までしか回復していません。

2020年の夏には、湖底の平均水温が上昇を続けついに9℃を越えました。50年前には、琵琶湖の湖底水温は6.5℃だったので、半世紀で2.5℃の水温上昇があったことになります。また9月21日には、ついに溶存酸素濃度が10%(約1mg/L)以下となりました。

琵琶湖の「深呼吸」の停止は、地球温暖化による降雪量の低下、それによる冷たい雪解け水の減少が主な原因と考えられています。

そのことによって、琵琶湖の湖底に住む生物にとって非常に困ったことが起こっています。

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