褒める? 叱る? 問題行動は直すべき? 発達障害の子に必須の対応

間違えると、深刻な二次障害の可能性も
松永 正訓 プロフィール

子どもが駄々をこねたら「無視する」

ABAとは、子どもの行動をよりよいものに変えていく療育です。

子どもの行動が好ましければ「ほうび」を与えます。「ほうび」のことを強化子(きょうかし)といいます。強化子を与えれば好ましい行動が増えます。これが正の強化です。好ましくない行動に対しては「ほうび」を与えません。無視します。この結果、問題行動が減ります。これを消去といいます。

たとえば、ポケモン・ショップの前でポケモンのぬいぐるみを買って欲しいと駄々をこねて大騒ぎしている子に対しては、無視をします。無視すれば、駄々をこねるのがムダだと学ぶからです。安易にぬいぐるみを買ってしまうと、駄々をこねれば欲しいものを買ってもらえると子どもは味をしめることなり、こうした好ましくない行動が強化されてしまいます。

子どもがおもちゃの片付けをした場合、たくさん褒めます。褒められれば子どもはうれしいので、片付けという好ましい行動が強化されます。ところが、毎回褒めているので、もういいだろうと親が思って褒めることをやめると、子どもは「つまらない」と思って片付けをやめてしまいます。強化が薄れるわけです。

お子さんが幼少のときから、早期に行動に介入して伸び代をどんどん伸ばしていってください。成功体験を積ませて、褒めて育てるのです

【写真】褒めて育てる幼少のときから成功体験を積ませて、褒めて育てる photo by gettyimages

「直す」ことはしない! 個性を生かす療育方法

一方、TEACCHには子どもを「直す」という発想はありません。

自閉症児にはその子なりの特性・文化があり、そういった子どもの個性を大事にしていこうと考えるのです。たとえば、子どもが混乱しないように、遊ぶゾーンや課題をこなすゾーンを色や場所で分けたり、指示が通りやすいように記号などの視覚情報を与えます。

ちょっと専門用語になりますが、ここは何をする場所かを明確にすることを「物理的構造化」といいます。記号やマークを使って指示が通りやすくすることを「視覚的構造化」といいます。

そして自閉スペクトラム症の子どもたちは、時間の流れをつかむのが苦手なので、視覚情報(絵や記号)を使って1日のスケジュールを子どもに教えるようにします。縦に長い紙を部屋に貼っておいて、生活の時間割を視覚で子どもに示すのです。

TEACCHは療育の場にとどまらず、療育→家庭→社会と自閉症の子どもが生活しやすいように環境を整えていきます。子どもを尊重して育てるのです。

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