「質問の仕方ひとつでビジネスの成功もプライベートの幸福も、つまり人生を大きく左右します」

シリーズ3冊で90万部を突破した『超一流の雑談力』の著者の安田正さんは、著書『デキる人はこっそり使ってる 人を動かす20の質問術』(ポプラ社)にてこのように述べている。だからこそ人生を左右するほどの「質問の仕方」のノウハウをこの一冊にまとめたのだという。
そこで本書に収められているノウハウから抜粋紹介をさせていただく第二回目は上司や目上の人などに「聞きにくい質問」をするときなどに、一瞬で自分の価値を下げる質問と上げる質問の違いを具体例とともにお伝えする。

 

具体例1)上司の真意を聞きたいだけだったのに

あなたの職場では、「飲みニケーション」ということで、毎月のよう に飲み会が開催されています。 社員は全員出席するのが暗黙のルール。とはいえ、内容のある会話が交わされることなどほとんどなく、毎回、飲み会に参加するたび、あなたはウンザリしていました。

そしてある日、あなたは覚悟を決めて上司に尋ねます。

「会社の飲み会に参加するのは義務なんですか?」

あなたの質問に、上司はムッとした表情。
社員として、当然聞く権利のある質問をしただけなのに、なぜムッとされなくてはならないのでしょうか?

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言葉を選ばず失礼な聞き方をしていませんか?

聞いて当然のことを質問しただけなのに、ムッとされるのはおかしい!  冒頭の例を読んでそんなふうに感じた人は、次のようなシーンを想像してみてください。

先日、テレビの報道番組を見ていると、画面の中である政治家が報道陣からもみくちゃにされていました。 政府で重要な役職についている人物が、まさかの不倫スキャンダル。しかも、 不倫相手のごきげんを取るためにハワイで「新婚旅行ごっこ」をしていたというのですから、マスコミが大騒ぎするのも仕方ありません。 
当然のように、記者たちからは次のような厳しい質問が飛びます。

「いつから不倫していたんですか?」
「国会議員なのに、不適切な行為だとは思わなかったんですか?」

ですが、このシーンをテレビで見ていた人は、なんとなく違和感を持ったのではないでしょうか。

「いつから不倫していたんですか?」という質問は、記者たちにとっては「聞いて当然」の質問です。

それなのに、なぜか「いじわるな質問」で議員を責め立てているような印象を受けませんか?
「不倫はよくないけれど、マスゴミの聞き方もひどいよな」 そんな視聴者の声が聞こえてきそうです。

一般的には、聞きたいことが相手にストレートに伝わる、簡潔な質問ほど「いい質問」と言えます。 その意味では、「いつから不倫していたんですか?」という質問も、決して悪い質問ではありません。
しかし、このような直球すぎる聞き方は、状況によっては「失礼な聞き方」 とも言えます

「税金を使って不倫している不届き者に質問するのに、どうして失礼かどうかなんて気にしなくちゃならないんだ?」と思う人もいるでしょう。 しかし、質問の目的は、相手を「問い詰める」ことではありません。「相手から答えを引き出す」ことだったはずです。答えを引き出したいのなら、相手を「答えよう」という気にさせなくてはなりません。相手にとって「いやなこと」を質問するときは、なおさらです。

こんなときに「マスゴミ型」の失礼な聞き方は相手の態度をかたくなにさせるだけなんです。