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中国で就職難民「大量発生」…エリートを待ち受ける「苛酷すぎる下放政策」

失業者1億人時代で文革時代に逆行か

「大学は出たけれども」

2021年6月に中国の「高等学校(大学・短大・高専)」(以下、総称して「大学」と呼ぶ)を卒業する「応届畢業生(新卒者)」は、900万人の大台を超して909万人になることが予想されている。この数字は2020年12月1日付で中国政府「教育部」と「人力資源・社会保障部」が連名で公表した推計だが、2022年の大学新卒者は1000万人を超えると予測されている。

中国の総人口は2019年末時点で約14億人なので909万人は全人口のわずか0.65%を占めるに過ぎないが、それが大学新卒者の数であるから問題は大きいのである。

ネット検索で調べた限りでは、日本の2014年(平成26年)3月における大学(短大・高専を含む)卒業者数は約63万人に過ぎないので、2021年の大学卒業生は恐らく60万人前後だと想像されるが、中国の人口が日本の11倍(中国14億人:日本1.26億人)であっても909万人は極めて大きな数字であると言える。

中華人民共和国が成立した1949年の大学卒業生はわずか2.1万人に過ぎなかった。1952年に「普通高等学校招生全国統一考試(全国統一大学入試)」が制度化されたが、大学卒業生の数には大きな変化はなかった。

1966年に当時の中国共産党中央委員会主席であった毛沢東の主導で勃発し、中国全土を混乱に陥らせた「無産階級(プロレタリアート)文化大革命」(略称:文化大革命)は1976年までの11年間継続したが、この期間は大学が休止状態を余儀なくされたために全国統一大学入試は実施されなかったし、大学卒業生は存在しなかった。

文化大革命の終息後に大学が再開され、全国統一大学入試が再開されたのは1977年であり、1978年には再開後初の卒業生が輩出されたが、その数は16.5万人であった。その後の紆余曲折を経て、中国で大学卒業生が規則正しく輩出されるようになったのは1984年からであり、同年の大学卒業生は28.7万人であった。

1984年以降の大学卒業生数の推移は下表の通りになる。

表では2019年における大学卒業者数は834万人となっているが、ユネスコ(UNESC:国際連合教育科学文化機関)が発表している「世界の大学進学率 国別ランキング」2019年度版によれば、中国の順位は世界152か国中の第61位で大学進学率は53.8%であり、大学卒業者数の数字は大きくとも、世界的に見れば大学進学率が高いわけではない。

 

ちなみに、日本は第46位で大学進学率は63.6%で、フランス(第40位:67.6%)、イタリア(第43位:64.3%)、英国(第51位:61.4%)とほぼ同等のレベルにいる。

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