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「新型コロナに負けない体」を作りたいなら、免疫の仕組みを利用せよ

昔から健康にいいことは免疫学的にも正解
新型コロナウイルスは何者なのか? その謎に迫るためNHKスペシャル取材班はいくつもの科学論文を読み解き、世界トップの研究者たちにインタビューを重ねてきた。その成果から生まれた番組がNHKスペシャル「人体vsウイルス~驚異の免疫ネットワーク~」(2020年7月4日放送)だ。番組内容だけでなく、そこでは紹介しきれなかった最新情報も含めて『たたかう免疫 人体vsウイルス真の主役』としてこのたび書籍化された。
本書から、人体の免疫の仕組みをもう一度振り返りつつ、新型コロナウイルス感染に負けない日常できる体作りの方法について、ご紹介しよう。

自然免疫と獲得免疫の二段構えでウイルスに対処

ウイルスが私たちの体に侵入したとき、最初に働くのが自然免疫。自然免疫は2層構造で、第1層では皮膚や粘膜が病原体の侵入を物理的なバリアーとして防ぐとともに、そこに存在する殺菌物質が化学的バリアーとして働き、ウイルスを殺す。

自然免疫の第1層の物理的・化学的バリアーを突破して体内に侵入したウイルスに対処するのが、大食らいの食細胞たちだ。彼らがウイルスの侵入場所に駆けつけ、食べたり、その増殖を抑えこむような警報物質を出したりして、病原体の増殖を防ぐのだ。これが自然免疫の第2層、細胞性バリアーである。病原体が体に侵入するやいなや反応するのが自然免疫の特徴で、私たちが生まれたときから持っている仕組みだ。

感染から抗体を作り出すまでの免疫反応の概念図。Photo by Gettyimages
 

自然免疫がしっかりしていれば、第2層までのバリアーで病原体を撃退することも可能だ。しかし、第2層を突破されることもある。このとき働いてくれるのが、二段目の細胞性バリアーである獲得免疫の細胞たちだ。

伝令役を担う食細胞から病原体の情報を受けとった司令官ヘルパーT細胞がB細胞に指令を出して、抗体を作らせる一方、キラーT細胞に対しては感染細胞への攻撃指令を下す。抗体がウイルスそのものを狙い撃ちする飛び道具であるのに対して、キラーT細胞はすでに感染してしまった細胞に毒物質を注入して排除する。獲得免疫は細胞の外にいるウイルスにも、細胞の中に侵入ずみのウイルスにも対応できるのだ。

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