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「音速」だけではありません…世界の根本を問い直した物理学者マッハの偉大な業績

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

音速「マッハ」

1838年の今日(2月18日)、音速の単位に名を残す物理学者エルンスト・マッハ(Ernst Mach、1838-1916)が誕生しました。

オーストリア帝国のモラヴィア地方(現・チェコ領)に生まれたマッハは、26歳でグラーツ大学の教授となり、次いでプラハ大学で実験物理学を教えるようになりました。

マッハの主要な研究分野は液体や気体の動きについて考察する流体力学で、物体が超音速で移動するときに起こる現象の解明に取り組みました。1887年、彼は静止した流体の中で物体を超音速で動かすと衝撃波が発生することを実験で確かめ、その様子を写真に収めました。

マッハが撮影した、超音速の弾丸によって生じる衝撃波の写真

超音速に関する研究の功績から、マッハは音速に関する「マッハ数」に名を残すこととなりました。マッハ数とは物体の速さと音速の比のことで、「マッハ1.2」などというときは、速さが音速の1.2倍であるということを意味します。

音の速さは、20℃の空気中で秒速約340m(時速1225km)ほどとなります。たとえば、かつて就航していた超音速旅客機・コンコルドは最大時速2160kmを記録しましたが、これはおよそ「マッハ2」に相当する数値です。ちなみに人類が乗り物で経験した最高速度は、月から帰還するアポロ10号が記録した「マッハ37(時速3万9897km)」と言われています。

物理学の根本への疑問

また、マッハはニュートン以後の物理学で基礎概念とされてきた「絶対空間」「絶対時間」の存在を否定し、アインシュタインの相対性理論へ大きな影響を与えたことでも知られています。

“物体の慣性力は全宇宙に存在する他の物質との相互作用によって生じる”、という「マッハの原理」においては、「空間」というものもそこに存在している物体によって生じてくる概念に過ぎないと考えられています。

当たり前の存在として私たちが認識している「時間」や「空間」とはいったい何なのか? マッハが解き明かそうとしたこの疑問に、物理学者は現在でも挑み続けています。

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