ポーランドでカトリック教徒が減少している理由

ポーランドはヨーロッパのなかでもカトリック教徒が多い国だ。ヨーロッパの主要12カ国における16~29歳の若者を対象した調査では、ポーランド国民の82%が自分はカトリック教徒だと回答し、17%が無宗教だと回答している(※2)。パツェヴィチさんによると、それでも年々、ポーランドのカトリック教徒は減少しているが、その理由のひとつに、カトリック教会が“体制側に立った”権威的な存在へと変化していることがあるという。

「過去を振り返ると、教会が反政府だったときには人々は教会を信頼し、教会が政府に寄り添うになったときには、人々は教会から離れていくような気がします。現代では、自分自身をカトリック教徒と呼び、神を信じている人のなかでも、教会を“体制的な組織”として見る人が増えたと思う。

例えば、私は自分のことを“無神論者のカトリック”だと思っています。ポーランド文化にはカトリックが根づいていて、行事や伝統からは逃れられない。というわけで、私自身もカトリックの伝統行事には参加しますが、イエス・キリストや聖書は信じていません。映画に登場する村人たちはもっと保守的ですが、私と似たような心境をもっているのです」

『聖なる聖職者』より

パツェヴィチさんが語るには、ポーランドのカトリック教会は強大な権力をもち、教会が犯す犯罪はあまりニュースに取り上げられないそうだ。例えば近年、世界各地で起きているカトリック聖職者による児童性的虐待事件も、ポーランドではやっとここ数年で報じられるようになったばかりだという。