寝る前の読み聞かせは0歳のときからの習慣

小さい頃の「読み聞かせ」体験については、「覚えてないんです。母親に聞いたら、『したわよ!』って言われるかもしれないけど、私自身は、読んでもらった記憶がなくて」と意外な答えが返ってきた。

「息子には、まだ一つも言葉を覚えていないぐらいの赤ちゃんの時から、寝る前のいいコミュニケーションだと思って、いろんな絵本を読み聞かせていました。ウチはフランス式で、赤ちゃんといえど、子どもとは同じ部屋で一緒に寝なかったんですが、母親としては少しでも一緒にいたいので、寝る前に本を読むことは習慣にして。暗記も寝る前がいいっていうし、読み聞かせも、寝る前にやることに意味があると信じて(笑)。ただ、子どもって正直だから、私が忙しくて『なんで本なんて』と思いながら読んでいるときと、本当に心を込めたときと、聞く態度が全然違う! 疲れているときなんかは、『お母さん、今日、全然気合入ってないでしょ?』なんて言われたりもします(苦笑)」

撮影/山本倫子

息子さんが8歳になった今も、寝る前の読み聞かせは続けている。年齢が上がるにつれ読まなくなった絵本は、昔通っていた保育園に寄付したりもしているが、寺島さんには、どうしても手放せない絵本が二冊ある。

「私が好きなのは、ダントツで『だるまちゃんとてんぐちゃん』です。私が産まれる前からあった絵本ですが、今読んでもとってもいい。“人生工夫して生きていきましょう”っていうシンプルなテーマですが、でも、だからこそいくつになっても心に響く。もう一冊、谷川俊太郎さんの『もこもこもこ』も手放せません。出産祝いで、片桐はいりさんに頂いたんですが、言葉がわからなくても日々の小さなワクワクが伝わる感じがすごくあって。これも、ずーっと手元に置いておきたい」

そううっとりした顔で話してから、「あ、でも考えてみれば『だるまちゃん〜』は、小さいときに読んでもらったかもしれない。とにかく家にはありました。母の名誉のために、さっきの『記憶にない』は訂正(笑)。やっぱり読み聞かせは多少なりともしてもらっていたんだと思います」と急に娘の顔になって言葉を繋いだ。