子どもっぽく感じて、欲情しない

竜也の言いたいことも分からなくはない。

けれどここにきて年上好きが災いし、少々“こじらせ”ている気配も感じる。

「でも現実的に、やっぱり同年代でそこまで精神的に自立してるというか、達観してる女の子はなかなかいないですね。一応デートはちょくちょくしてますけど、30歳前後女の子はどうしても子どもっぽく感じるというか、欲情もしなくて」

すると竜也は「そういえば」と、眉をひそめた。

「最近久しぶりにアプリで“いいな”と思って家に招いた一つ年下の女の子がいたんですけど、帰り際に終電がないからって申し訳なさそうにタクシー代を要求されたんです。僕、そういう女って本当に無理.....」

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竜也は女性の外見についてはさほど気にしないそうだが、最近の若い男性の多くと同じように、精神的・経済的自立も重要視しているようだ。

「もしああいう子と結婚したら、何もかも面倒見なきゃならなそうで怖い。例えば専業主婦が絶対に嫌ってわけではないけど、僕がいないと何もできない、生きていけないみたいな女の子に魅力は感じないので、できれば稼いでる方がいいです」

いい歳でタクシー代を要求する女性もいかがなものかと思う。けれど、同年代の家柄の良いお嬢様・遊び慣れていて異性に対しては放任主義・さらには経済的にも自立している......そんな条件の揃った若い独身女性を見つけるのは至難の業だろう。

「でも最近、周りの友達はどんどん結婚してくんですよ。医大の同期なんて、独身は僕くらいで......。実は僕って普通にモテないダメな男なんじゃないかって、ちょっと凹みます」

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結婚願望があるのは間違いないようだが、竜也はやはり、世間一般的な常識と元来の破天荒気質の間で葛藤しているようだ。

「結局、こういう奥さんがいいなって思う女の子ってすでに結婚してたり、結構年上なんですよね。まぁ好みばかりは仕方ないので、今年は真剣に婚活を頑張ってみます」

やや適当に話を完結させると、竜也は「実はこれからデートなんです」と言い、カフェの前に停めていた高級外車を派手に鳴らして去っていった。

相手は上場企業の役員である50代の美女だと自慢げに微笑みながら。

彼が将来どんな女性と結婚に至るのか、実に興味深い。

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