画像提供/NHK

新型コロナ感染で重症化する人としない人の違いは何から来る?

科学者たちの闘いの最前線に迫る
いったいこの新型コロナウイルスは何者なのか? その謎に迫るためNHKスペシャル取材班はいくつもの科学論文を読み解き、世界トップの研究者たちにインタビューを重ねてきた。その成果から生まれた番組がNHKスペシャル「人体vsウイルス~驚異の免疫ネットワーク~」(2020年7月4日放送)だ。番組内容だけでなく、そこでは紹介しきれなかった最新情報も含めて『たたかう免疫 人体vsウイルス真の主役』としてこのたび書籍化された。その中から免疫の多様性についての驚きの報告をお届する。
トップ画面写真の説明*ウイルスの断片をつかむ伝令役の手のかたちは、地域や民族によっても、大きな違いがあることがわかってきた。コレラ、ペスト、マラリアなど、病原体の多様性に対する対抗として、祖先の体内では、新たに出会った敵に見合うかたちの手を生み出せるよう変化してきたと考えられる。

ウイルスに対する人の免疫反応はみな違う

大型企画開発センターのディレクター白川裕之は、2020年1月に中国武漢で感染が広がり始めた当初から、未知の感染症と対峙する科学者たちの闘いを取材し続けていた。

 

同年3月末からは「新型コロナ全論文解析プロジェクト」を立ち上げ、新型コロナウイルス関連のすべての科学論文を人工知能AIに読みこませ、専門家たちとともに新型コロナウイルス科学の最前線を精緻にかつ俯瞰的に解析し、NHKスペシャルで伝えてきた。

そうした取材の中で、ウイルスに対する人体の免疫反応が一様ではないことに、当初から注目していた。「重症化する人としない人の違いは何か?」については、多くの研究が行われており、それらの解析から年齢、性別、基礎疾患の有無などが関係していることが明らかとなっていた。そのほかに世界中の科学者たちが必死になって解明しようとしていたのが、遺伝的な要因、つまり個人のDNAの違いだった。

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白川が免疫反応の遺伝的な個人差に注目していたのは、人体シリーズの前作、NHKスペシャル「シリーズ人体2 遺伝子」を制作し、人の体がいかに一様でなく多様であるように設計されているかを強く実感していたからだ(詳しくは、書籍『シリーズ人体 遺伝子 健康長寿、容姿、才能まで秘密を解明!』NHKスペシャル「人体」取材班著、講談社)。

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