皆さん、はじめまして。ファイナンシャルプランナーの大竹のり子です。

2005年に女性のためのお金のクリニックである「エフピーウーマン」を立ち上げて、気づけばはや16年目。数千回を超える個人相談や取材などを通じて、どうしたら女性がお金を人生の味方につけて、やりたいことを叶え、自分らしい人生を送ることができるのか。そんなことを考えてきました。

この連載では、そんな私のこれまでの経験をぎゅっと凝縮して、ためになるお金の情報や「お金の教養」を磨くためのエッセンスをお届けできればと思っています。さて、記念すべき第1回のテーマは「老後」です。お金の不安や悩みは千差万別ですが、老後だけは、性別や年代を問わず、ほとんどすべての人が共通して不安を抱いいます。

なぜなら、老後は、結婚や出産、マイホーム購入のように「するのか」「しないのか」を選ぶことができません。命ある限り、すべての人に対して否応なしにやってくるライフイベントなのです。

Photo by iStock

“老後2,000万円問題”ってどういうこと?

一昨年、いわゆる“老後2,000万円問題”が大きな話題になりましたね。老後までに2,000万円が必要と聞いて、皆さんはどのように感じますか?「大げさに言っているだけで、実際はそんなに必要ないのでは」と思っている人もいれば、「2,000万円で本当に足りるのか不安」と思っている人もいるかもしれません。

ズバリ結論から言うと、老後までに2,000万円はやっぱり必要、だと私は思います。退職金が充実していたり、老後は田舎で自給自足生活をすると固く心に決めていたりする人は別かもしれませんが、それ以外の多くの人は、老後までに2,000万円の貯蓄がやっぱり必要です。

まずご覧いただきたいのは、総務省が発表している、今すでに老後生活を送っている方々の家計の平均です。

総務省・家計調査2019年 高齢無職世帯の1ヵ月の収入と支出の平均(夫婦世帯)

(出典)総務省・家計調査(2019年)

「消費支出」の239,947円がいわゆる生活費、「非消費支出」の30,982円は税金などです。これらの合計から「社会保障給付」、つまり年金収入の216,910円やその他の収入を差し引いた「不足分」が、毎月33,269円。要するに、毎月これだけの貯蓄を取り崩しながら生活をしているという実態が浮かび上がってきます。

一方、日本は世界に誇る長寿大国です。2019年の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳。女性はすでに平均でも人生90年が当たり前、ということですね。毎月約34,000円ずつ貯蓄を取り崩す生活が、90歳まで25年間続くとすると、それだけで1,020万円が必要です。